約 2,006,817 件
https://w.atwiki.jp/persona4sub/pages/43.html
LV 名前 物 火 氷 雷 風 光 闇 力 魔 耐 速 運 初期スキル 取得スキル 備考 1 イザナギ - - - 耐 弱 - 無 3 2 2 3 2 ジオスラッシュラクカジャ ラクンダ(3)タルカジャ(5) 主人公初期ペルソナ 7 ヨモツシコメ - 弱 耐 - - - - 2 7 7 8 4 ポイズマ串刺しデビルタッチ スクンダ(9)ムド(10)亡者の嘆き(11) 雪子姫の城熱気立つ大浴場 13 オバリヨン 耐 耐 - - - - - 16 6 11 11 9 ソニックパンチタルカジャデカジャ マズルシュート(14)魔封成功率UP(15)物理耐性(17)シングルショット(17) 熱気立つ大浴場 21 レギオン - 耐 耐 - - 弱 耐 14 14 19 13 11 テンタラフームドデビルスマイル 暴れまくり(23)混乱成功率UP(24)淀んだ吐息(25)光からの生還(26) 特出し劇場丸久座 31 オセ 耐 - - - 無 弱 - 28 12 20 25 15 パワースラッシュ木っ端微塵斬りチャージ ポイズンミスト(33)毒成功率UP(34)素早さの心得(35)光からの生還(36) ボイドクエスト 38 ジャアクフロスト - 吸 吸 - - - 反 23 31 22 23 22 マハラギオンブフーラ氷結ブースタ コンセントレイト(40)マハスクンダ(41)火炎ハイブースタ(42)アギダイン(43)ムドオン(44) スタースプレッド 46 デカラビア 弱 - - 無 耐 無 - 27 36 25 26 31 アギダインマハタルンダテトラカーン 真・物理見切り(48)メギドラ(50)火炎ハイブースタ(51)物理耐性(52) 秘密結社改造ラボ 56 シキオウジ - 無 無 - 弱 - - 50 29 31 41 24 ナバスネビュラマハタルンダレボリューション アドバイス(58)ミドルグロウ(59)物理無効(62) 天上楽土 64 ロキ - 弱 吸 - - - 無 48 50 31 47 23 ブフダインラクカジャコーチング 氷結ハイブースタ(66)ハイパーカウンタ(67)マハブフダイン(68)火炎無効(69)ニブルヘイム(70) コミュ解禁ペルソナ継承不可スキル:ニブルヘイム
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8459.html
前ページ次ページゼロのペルソナ 隠者 意味…思いやり・邪推 名城と謳われたニューカッスル城はいまや廃墟と化していた。 反乱軍レコン・キスタが大挙して攻め込んだ結果である。 そしてレコン・キスタが反乱軍であったのはその時までだった。 アルビオン王家がこの世界から消滅した現在、レコン・キスタはアルビオンの正式な政府である。 廃墟となった最後の王家の城を眺めている一人の男が居る。レコン・キスタの総司令官であった男、オリバー・クロムウェルである。 彼は今や皇帝となり、アルビオンの支配者となった男だ。そうだと言うのに、皇帝クロムウェルの顔に浮かんでいるのは苦々しいものであった。 攻撃の際に受けた損害が莫大だったのだ。たった300足らずの王軍に対して、死者は三千、怪我人も含めるなら倍になる。 王軍の士気が異常なほどに高かったためだ。 「あのトリステイン貴族め、ウェールズをしとめるなどと言っておきながら……!」 クロムウェルは吐き捨てるように言った。 彼が言うトリステイン貴族とはワルドのことである。ワルドはトリステイン貴族にして、レコン・キスタに加わった男だ。 彼には聡明だと名を轟かせていたウェールズを始末するように命じていた。しかし、彼は仕損じ、ウェールズは最後の最後まで前線に立ち、兵士たちと戦い続けた。 そのため王軍の士気は異常なほどに高く、すでに勝利した気分になっていたレコン・キスタの兵に対し善戦を続けた。 ちなみにワルドは捕虜としての扱いを受けて牢屋に入れられていたのを助け出され治療中だ。体中に火傷のような痕があったためその治療である。 「いらぬ損害が出てしまったが……よしとするか。必要なものは手に入ったのだから」 彼はポケットから小さな箱を取り出した。開けた中には美しい宝石の指輪が入っていた。 ウェールズが身につけていた風のルビーだった。彼の死体から剥ぎ取ったものだ。 「これがなくては同盟が成立しないからな……。しかし、ジョゼフはどうしてこれをそこまで欲しがるのか……」 クロムウェルは美丈夫であるガリア王国の王の顔を思い浮かべた。 まあいい。彼は自分に力を与えてくれた。ならば従う他ない。 「死者に鞭打つようで悪いが働いてもらうぞ、ウェールズ皇太子」 クロムウェルは与えられた力、アンドバリの指輪を見た。 アルビオンから無謀に近い航海(航空という方が正確か)を遂げたのちに、ルイズたちはトリステイン国の騎兵たちに発見され、その後、王城に連れて行かれた。 秘密の任務のために事情を説明できずに困っていたが、アンリエッタの口利きのために開放されて、今はトリステイン学院に帰ってきていた。 ちなみにアルビオンの十人の船員たちのこともアンリエッタは保障してくれるそうだ。亡命者として手厚く保護するという。 そして学園に戻った三人の魔法使いと三人の使い魔はそれぞれの日常に戻っていた。 その内、使い魔たちは現在、あるものを鋭意政製作中である。 完二が料理長マルトーに頼み、使わなくなった大きな鍋を貰ってきた。それで完二たちは風呂代わりにしようとしているのだ。 時刻は夕刻を過ぎたころ、学校の校舎から遠いところで、火を焚き、水を入れた大なべを3人がかりで沸かせていた。 「なあ、これもういいじゃねえのか?」 陽介が待ちきれないとばかりに言う。 「そっスね。煮立ったら入れねーし」 完二の返答を聞いて陽介は嬉しそうな顔を隠せない。 彼らが彼らの世界でいうマトモな風呂にこの世界に来てからは入っていない。 この世界の風呂は一種のサウナ風呂のようなものであり、風呂が好きな日本人である彼らにはとても我慢できないというのが共通の見解だった。 クマは日本人どころか人間と呼べるか怪しいものだが、クマ曰く心は日本人らしい。 「んじゃ、俺一番風呂いただきな」 「あっ、センパイずりー」 「クマも入りたいクマー」 二人の抗議の声を気にせず、陽介は服を脱いで、さっさと鍋に浸かった。 「くぁー、たまらん!疲れが吹っ飛ぶつーの?やっぱ日本人だなあ、俺」 気持ち良さそうな声を上げる陽介を見てクマが我慢できなくなったようだ。 「クマも入るクマ」 そういうとクマは球型の体の頭の部分をとった。頭を取った着ぐるみからは金髪碧眼の美少年が現れた。 「オマエ、パンツ一丁だったのかよ……」 クマは人間の姿のときには真っ白なカッターに黒いズボンを合わせているのだが、キグルウミの中から出てきたクマはトランクス一丁の姿であった。 「だってだって最近、クマずっとこの格好だったし」 「確かにクマ、最近ずっと着ぐるみのまんまだったな」 「だからってそりゃ変質者だろ……」 「カンジ、今からお風呂クマ。和のココロ、それは細かいことを気にしないこと」 「や、意味わかんねえし」 完二と陽介のツッコミを気にせず、クマはすぐに一糸纏わぬ姿になって、陽介と同様腰にタオルを巻いて、風呂釜とかした鍋に文字通り飛び込んだ。 「おまっ、狭いだろ」 陽介が抗議する。 「そーでもないクマよ」 たしかに鍋には二人ならそれほど狭くないほどにはスペースがあった。大人数の魔法使いの子供たちの食事を作るための鍋だっただけあって大きい。 「たくっ、しゃーねーな。暴れんなよ、さっきオマエが飛びこんだせいでただでさえ湯が溢れたんだから」 「わかったクマ。だからクマ、この異世界に負けないように日本人の風呂の入り方をします」 そういうとクマは「あー、ババンバン!あービバビバ」と調子っ外れに歌い始めた。 陽介と完二は「なんだそりゃ」と笑った。 それから陽介とクマは30分近く風呂に入っていた。 「ったく、長風呂過ぎんだろ……」 完二は服を脱ぎながらぼやいた。クマがのぼせきってふらふらしていたために陽介はそれを送っていって今は完二一人である。 外にいても風邪を引くだけなので寮塔に戻るのは正解なのだろうが、一人残る完二には少しさびしい。 そう入浴前は思っていたが、いざ湯に浸かれば、そんな細かいことはどこかに吹き飛んだ。 「あー、キモチいいぜ……」 久しぶりの入浴は格別だった。満足いくまで浸かっていようと心に固く決める。陽介とクマが長風呂をしてしまうのも仕方がないだろう。 「あーびばんばんばん……へっ」 「あのー、カンジさん」 背後からの声に完二は体をびくりと震わして驚く。下手な鼻歌を歌っていたのでなおさらだ。 「だ、誰だ……ってシエスタじゃねえか!」 太陽が地平に姿を消し光が抜けていく空間にシエスタが立っていた。 「お、おま……なんでここに!?」 完二は狼狽する。何しろ今の彼は裸なのだ。目の前に女性が現れれば慌てるのも道理だろう。 「ヨースケさんに聞いたらここに居るって聞いて」 「あんのヤロー……!」 「あ、ヨースケさんを悪く思わないで下さい!わたし、どうしてもカンジさんにご馳走したいものがあったんです」 「えっ、ご馳走?」 大食漢の完二はこの状況でも素直にご馳走という言葉に惹かれてしまう。 「はい、東方、ロバ・アル・カリイエから運ばれた珍しいものとか。『お茶』というそうです」 慌てていてシエスタがそこにいることしか認識していなかった完二も、ようやく落ち着きを取り戻す。 シエスタは確かにティーポットとカップを載せた盆を持ったことに気付いた。 そして同時にご馳走といっても完二の予想するご馳走とは違ったことにがっかりする。 「んだよ、お茶かよ……」 「あれ、もしかして飲んだことあるんですか?」 「まあな、オレの居た場所じゃ、よく飲んだぜ」 「そうなんですか……」 シエスタはしょんぼりとした様子になってしまった。完二は慌てて取り直す。 「い、いや、でもよ。ここに来てから全然飲んでねえからよ。飲みてえと思ってたんだよ」 シエスタは顔を上げてにっこりと笑った。完二の言ったことを信じたというより、気を使ってくれたということが嬉しいのだろう。 「ありがとうございます。それじゃあどうぞ」 「おう」 渡されたティーカップを取り、湯に浸かりながら啜った。 彼の世界の味だった。母が二人分とは思えないほど作った料理を食べたあと、出してくれた熱いお茶を思い出す。目頭が熱くなり、目元を拭う。 「ど、どうしたんですか?」 「な、なんでもねえよ」 さきほどの言葉はシエスタを気遣ったものだったが、どうやら自分でも気付かないうちに完二は故郷が恋しくなっていたようだ。 おふくろどうしてっかな……。 「その『お風呂』って気持ち良さそうですよね」 「ん、まあな」 郷愁に浸っていた完二の意識はシエスタに呼び戻される。 たしかに風呂は良い。この世界のサウナ風呂と比べれば天と地の差だ。 「わたしも入ってみたいです」 「いいぜ、別に」 完二に良い物を独占するような気質はない。きっとシエスタも、今まで入ってきたこの世界の風呂とは格段の気持ちよさに驚くであろう。 「ありがとうございます」 シエスタはそう言うと服のボタンに手をかけた。 「ちょ、ま、待て!おま、何して……」 慌てふためく完二とは対称にシエスタは何事もないかのように素のままである。いや、少し頬が赤い。しかしボタンを外す手はとまらない。 「なにってお風呂に入ろうと」 「オレが出てからに決まってるだろ!」 風呂に入ってもいいとはいったが今は考えてもおかしいだろう。 「そうなんですか?まあまあ、いいじゃないですか」 「よくねえよ、おま……!」 完二は言葉をつぐんだ。服を脱ぎ始めたシエスタの肌がわずかに見えたからだ。健康的でそれでいて艶やかな肌。 完二は顔を真っ赤にして体ごとシエスタから背ける。お風呂にのぼせたわけではない。 「そんなに恥ずかしがらないでくださいよ。わたしまで恥ずかしくなってくるじゃないですか」 「ならやめろってんだ!」 完二が叫ぶと同時に彼の背後でストンと何かが落ちる音がした。 「それじゃあ、失礼しますね」 どうやらさきほどの音はシエスタの身につけていた最後の一枚が落ちた音のようだったらしい。 やばいやばいやばいやばいやばいやばいと念仏のように同じ言葉が完二の頭の中で繰り返されていた。 一糸纏わぬ姿になったシエスタはドキドキしていた。シエスタも自分の行為がおおよそ常識的ではないのは分かっていた。 これは完二の気を引くためのアプローチなのだ。 貴族から自分を守ってくれた完二、メイドである自分より優れた裁縫の技術を持つ完二。 彼女は完二が荒っぽく見えて本当は優しいことをよく知っている。 つい先日戻ってきた完二だが、いつかまた完二はいなくなってしまうのではないかとシエスタは怯えている。 完二自身が消えてしまうような儚さだとかを持っているというわけではない。ただ彼は来るときが来たら帰る場所に帰ってしまうような気がするのだ。 妙な言い方だがまるで彼はまるで別の世界の人間のように感じることがある。 シエスタは背を向けた完二が浸かっている湯を見る。少し重なった双月の光が水面を赤く照らしている。 「えっ、赤い……?」 シエスタは湯が赤くなっているという事実に戸惑う。ついさっきまでは透明色をしていたはずなのに。 よく見てみると赤さは濃度勾配をなしている。そして最も濃いのは背を向けた完二のいるところだ。 そろっと首を出して、完二の横顔を見るとシエスタは「うっ」とうなった。 完二の鼻からは、滝のように、とはどう考えても言い過ぎだが、ともかく鼻血としてはおかしな勢いで鼻血が出ていた。 シエスタは思わず、引いてしまった。 「あ、そういえばマルトーさんから仕事頼まれてたんでした」 「えっ!?」 若干棒読み口調で言うとシエスタはパパっと服を着てその場を去る。 背後で完二がポカンとしているのを感じる。 少しして「うおっ!んだコリャア!」という大きな声が聞こえてきた。やっと鼻血を出していたことに気付いたのであろう。 次の日、完二は午前中、広場を歩き回っていた。 普段は厨房なり、使用人たちのいるところにいて談笑したり裁縫をしたりしているのだが昨夜のシエスタのことを考えてしまうと、どうも顔をあわせづらいのだ。 自分が悪いわけではないし、シエスタが悪いわけでもない。そもそも昨夜の出来事をどう考えればいいのかもわからないが、なんとなく気まずい。 「どうっすかな……」 どうするとは何のことであろうか。シエスタとのことか、時間の潰し方か、それとも元の世界に帰る方法であろうか。 完二自身もなにをどうするか判然としないままぶらぶらと歩き回っていた。 「ありゃあルイズじゃねえか?なにやってんだ?」 ルイズは手になにか持ってこまごましく何かをやっているようだった。 完二はすることもないので自分のご主人とやらの元へと歩いて行った。 「はあ……」 ルイズは溜め息をついて、自分の作品を見る。 彼女の手には編み棒と、そして彼女の作品である毛糸の塊があった。そう、毛糸の塊という言葉が最も似合う物体だ。 好意的に見る人がいれば捩れたマフラーくらいには言ってくれるかも知れないが、ルイズはセーターのつもりで編んだのであった。 「はあ」とルイズはもう一度溜め息をついた。 完二はワルドを倒し、クマは致命傷を負った皇太子の命を救い、 タバサと陽介は船をアルビオンからトリステインまで飛ばして一行の命を救った。キュルケだって自分を守ってくれた。 しかし自分は何も役に立たなかった。トリステイン魔法学院に帰還し、安心もようやく戻ってきてから、その考えがルイズの頭に貼り付いて離れなかった。 自分は魔法の一つも使えない。今回の旅に何の役にも立たなかった。アンリエッタの願いを意気揚々と引き受けておきながらなんというザマだろう。 それがルイズが編み物をし始めた理由だ。ルイズは魔法が出来ないからその分、手先が器用になるようにと母に教え込まれたが、それもこの有様である。 ルイズが三度目の溜め息をつこうとした時、目の前に彼女の使い魔が現れた。 「なんだこりゃ」 ひょいっと完二はルイズの作った毛糸のオブジェをつまみ上げるように持ち上げた。 「ちょっとバカ、返しなさいよ!」 ぴょんぴょんと跳び上がり、ルイズはマフラーのようなものを取り返そうとする。 完二はルイズの作ったものをしげしげと見ながら呆れたように言った。 「オマエ、不器用だなあ……」 ルイズの頭の中で何か音がした。 「悪かったわね」 ルイズはねじれたセーターを強引に奪い返す。 「どうせわたしは魔法も使えない、編み物もできない、何の役にもたたないゼロのルイズよ!」 ルイズは、言うだけ言うと広場の出口へと駆け出した。 「お、おい!」 完二の呼び止める声がするが、当然足は止めない。 完二も自分をバカにしている。 そのことがどうしようもなく腹立だしく、そして悲しかった。 それから数刻経つ頃、完二はシエスタと会い、あるものを渡していた。 「昨日のワビっつーのも変だけどよ、コレ」 「これ……ぬいぐるみですか?」 「編んで作ったからあみぐるみっつーんだ」 それは完二の作ったたぬきのあみぐるみだった。あみぐるみは様々な編み物や縫い物の中でも完二が最も好きで、得意とするものである。 メイド顔負けの裁縫技術を持つ完二の得意分野なのでその出来はこの世界の貴族相手に商品にできるほどであろう。 「すっごくお上手ですね、このたぬきさん。でもなんでたぬきなんですか?」 「シエスタのイメージってなんとなくたぬきっぽいだろ」 「わたしってたぬきっぽいんですか……?」 シエスタはしゅんとなる。 完二に他意はなかっただろうが、それでも妙齢の少女にたぬきっぽいというのは喜ばれるものではない。 完二は自分の失言に慌てた。 「あ、違げーぜ。深い意味はねーし、シエスタの声がたぬきっぽいセンパイに似てるっつーか、たぬきって案外かわいいし、んな気にしねーで……」 完二は取り繕うように必死で弁解する。 するとシエスタは顔を上げ、いたずらっぽく尋ねてくる。 「わたしってかわいいですか?」 「ばっ、そ、そんなんじゃ……」 「かわいくないですか?」 またシエスタはしゅんとしたように顔を下げる。 「な、いや、シエスタはかわいくないこたあ……」 完二は顔を赤くしきっている。あたふたとしていると顔を下げたシエスタがクスクスと笑い始めた。 やっと完二はからかわれていたことに気付く。 「んだよ、くそっ!」 乱暴な言葉を口にしてもその顔にはまだ赤みが残っていた。 シエスタもクスクス笑うのをやめて編みぐるみを胸に抱いて感じを上目使いで見つめた。 「大切にしますね」 「おうっ、大切にしてやってくれ」 いじけた態度をから一転して完二は笑った。素直というか根が単純というか完二は自分のしたことで喜ばれることを好む性質なのだ。 「ところでもう一つ持ってますけど、それは?」 「ああ、こっちはワビの品かもな……」 完二がシエスタにあみぐるみを渡してからさらに時間が経ち、夜。 完二はルイズの部屋の前にいた。本来ならこの時間は部屋でルイズと適当な会話をしたり、会話をしなければ裁縫に没頭していたりする。 いつもは軽いドアノブがなかなか今日は回せない。 なんとか意を決し完二はドアを開ける。 部屋の中にルイズはいた。彼女はベッドの上に腰かけ宙を見ている。心ここにあらずというか、何か考え込んでいる様子である。 しかし完二が入ってきたことに気付くと、きっと視線を向けてくる。完二は背中に手を回して歩み寄った。 「あ、あのよ」 「なによ?」 いつもより弱い声量の完二に対し、ルイズはとげとげしい声を投げかける。 「今日は悪かった」 「なんのことよ」 わかってるのであろうがルイズはわざわざ尋ねてくる。完二としてそういう回りくどいことは嫌いだが、今回は自分が全面的に悪いと思っているために殊勝に答える。 「オマエの編み物を見て……あれだ、不器用って言ったことだ」 ルイズはふんと不機嫌そうに顔を逸らす。 「別に気にしてないわよ。わたしが編み物が下手なのも、わたしが役に立たないのも事実じゃない」 完二は首を振ってそれを否定する。 「んなこたあねえ。てめーが好きなモンを下手だなんて言われていい気がするはずがねえ」 「だからそんなこと気にしてないって言って……」 ルイズの声は徐々に大きくなり始めた。それが途中で切れたのは完二が背中に隠し持っていた物を差し出したからだった。 「なによこれ?」 ルイズは完二が差し出してきた物を指差す。 「オレが編んだあみぐるみだ。ルイズ、オレがこれくらい編めるように教えてやる」 あみぐるみを突き出したままの姿勢で完二は固まった。 謝っておきながら教えてやるとはおかしな言い方かもしれない。しかしこれが完二が散々頭をひねって考えた最良と思うアイデアだ。 裁縫の腕が良くないなら成長すればいい。そう考えたのだ。 しかし、いざその場面になってくると嫌というほど緊張する。 なんだか嫌な汗が出てきそうな気分だ。 ルイズに似合うと思って黒いネコのあみぐるみを作ったのだが、彼女は許してくれるだろうか。許してくれなくても、あみぐるみだけでも受け取って欲しかった。 気勢を削がれた様子のルイズはしばし黙り込んでいたが、それからむっつりとした表情のまま完二に向かって両手を開くように伸ばしてきた。 「んっ」 それが渡せと要求していることに気付いて、完二は黒い細身のネコのあみぐるみを手渡す。 ルイズはあみぐるみをぎゅっと抱いた。そして完二をじっと見つめて言う。 「あんたが作ったって本当?」 「お、おう!」 ルイズが質問に完二は若干あせったように答える。とりあえず話をしてくれることに安心した。 「あんたが教えてくれるって……本当に?」 「おう。これでも元の世界じゃ教室開いて、編み物とか教えてたんだぜ?」 完二は自信を持って答える。への字に曲がっていたルイズの口が今夜初めてゆるんだ。 「似合わない」 ルイズはころころと笑った。 完二は反論しつつも笑ってくれたことにほっとした。 ルイズが邪推もなしに思いやりを受け入れたことは彼女の性質からすれば珍しいものなのかもしれない。 あるいは彼女は完二が来てから変わったのかもしれなかった。 何はともあれ、ルイズは素直に完二の素直な謝意を受け入れた。 そしてそれから数日、完二はルイズにあみぐるみの手ほどきをした。 ルイズの裁縫の腕は高いものではないが彼女は真剣に取り組み、完二の教えを真剣に聞いて、数日で成長の萌芽が姿を見せ始めた。 だがそれが芽吹く前に二人だけの手芸教室は中断されることになる。 王室からルイズにあるものが送られてきたためだ。 送られてきたのは一つの古びた本と一つの勅令。 古びた本は始祖の祈祷書、そして勅令とはアンリエッタ王女とゲルマニア皇帝の婚姻の儀の詔を作成することだった。 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/mereckey/pages/17.html
剣士下位オススメ防具 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 バトルヘルム 32 ●● 怪力珠 怪力珠 胴 バトルメイル 50 ●● 怪力珠 怪力珠 腕 バトルアーム 39 ●● 文鎮珠 文鎮珠 腰 バトルフォールド 41 ● 研磨珠 脚 ハイメタグリーヴ 60 ● 鉄壁珠 防御値 222 スロット ●6 火 +20 水 -10 雷 +8 氷 -10 龍 -5 攻撃力UP【大】, 風圧【大】無効, 砥石使用高速化, ガード性能+1,採取-1 脚のハイメタグリーヴはLv2でスロットが開くため早い段階で完成が見込める。 見た感じで「そんな装備で大丈夫ですか^^;?」とか聞かれる。 「大丈夫だ、問題ない。」 正直下位はこの装備でOK。だがHR31以上でこの装備は止めよう 剣士上位オススメ防具 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 ハイメタUヘルム 47 ●● 剛力珠 剛力珠 胴 ギザミSメイル 141 ● 剛力珠 腕 タロスUアーム 74 ●● 剛力珠 剛力珠 腰 ガレオスSフォールド 113 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 脚 タロスUグリーヴ 84 ●○ 防音珠 防御値 459 スロット 火 -8 水 0 雷 -6 氷 -14 龍 11 攻撃力UP【大】, 見切り+3, 火事場力+2, 高級耳栓, ランナー, 体力回復アイテム強化 噂のバケツテンプレ。上位に上がったらまず作る事。話はソレからだ! コレを作ってる間にHR51を超えるのは、また別の話 剛力珠が無い場合は怪力4研磨5防音1で大丈夫。 HR71になったら別の装備を作り始めることになる。その過程での最適装備。 剣士上位の上位オススメ装備 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 神楽【兜】 44 ● 剛力珠 胴 アカムトウルンテ 176 ●● 剛力珠 剛力珠 腕 ガノスUアーム 89 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腰 アカムトイッケク 156 ●● 剛力珠 剛力珠 脚 シルバーソルグリーヴ 99 ●●● 剛力珠 防音珠 防音珠 防御値 564 スロット ■0□0●11○0 火 +15 水 +12 雷 -4 氷 +7 龍 +1 攻撃力UP【大】, 見切り+3, 高級耳栓, 火事場力+2, 斬れ味レベル+1 HR71で作れる剛力匠高耳装備。 このHR帯で最高火力を誇る汎用装備 剣士超上位オススメ装備 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 アカムトサクパケ 110 ●● 匠珠 胴 アカムトウルンテ 176 ●● 匠珠 腕 シルバーソルアーム 87 ●●● 怪力珠 剛力珠 剛力珠 腰 ヒプノRフォールド 120 ●● 剛力珠 剛力珠 脚 リオハートRグリーヴ 111 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 防御値 604 スロット ●12○0 火 +12 水 +5 雷 -6 氷 +12 龍 +0 攻撃力UP【大】, 見切り+3, 火事場力+2, 高級耳栓, 砥石使用高速化,斬れ味レベル+1 HR100以上で作れる剛力匠高耳装備。通称、トリアカ(腰が鳥っぽいアカムなので) しかし、上記で使っていた装備とは別の物を作成>強化することに・・・それは嫌だ! そんな人にはこちらを +SPシルアカ 部位 名称 防御 スロット 装飾品 武器 スロット1以上 xxx ● 剛力 頭 SP剣士頭 109 □ 胴 アカムトウルンテ 176 ●● 匠珠 腕 シルバーソルアーム 87 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腰 アカムトイッケク 156 ●● 剛力珠 剛力珠 脚 シルバーソルグリーヴ 99 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 防御値 645 スロット ■0□1●11○0 火 +14 水 +2 雷 -8 氷 +16 龍 +2 攻撃力UP【大】, 見切り+3, 火事場力+2, 斬れ味レベル+1 HR71から作り始め、HR100で完成のときを向かえる。ただし耳栓は無い この装備の良い所は、SP頭でスキルを換装することが出来ること。 基本例:耐絶珠SP(気絶無効,耳栓追加)、透視珠SP(自動マーキング,耳栓追加)など 防御力だけを見るとかなり優秀 以上、有名(?)な非課金テンプレでした。 以下課金込みのテンプレ。 3部位換装装備 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 胴 腕 ルースFアーム 123 ●●● 音無珠G 剛力珠 剛力珠 腰 ヒプノRフォールド 120 ●● 剛力珠 剛力珠 脚 リオハートRグリーヴ 111 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 防御値 354 スロット ■0□0●8○0 火 +4 水 -2 雷 0 氷 +4 龍 +1 高級耳栓, 攻撃力UP【大】, 見切り+3, 火事場力+2, 砥石使用高速化 ブースターパック7(BP7)を買いあさりましょう。腕はかなりの高性能 防具チケが全然出なくて武器全部フル強化できてしまう不具合。ぐぬぬ・・・ イクスキット使用換装装備 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 胴 イクスFベスト 123 ●●● 音無珠G 剛力珠 剛力珠 腕 ルースFアーム 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腰 脚 リオハートRグリーヴ 111 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 防御値 357 スロット ■0□0●9○0 火 +9 水 -1 雷 +6 氷 0 龍 +2 高級耳栓, 攻撃力UP【大】, 見切り+3, 火事場力+2, 砥石使用高速化 2400円で購入可能なイクスキットを使用。 腰にイクスFコイルを使うとランナーが発動し、音無珠G無しで高級耳栓になる +上記汎用装備 スキルカフ使用 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 アルマFヘッド 66 ●●● 剛力珠 匠珠 胴 イクスFベスト 123 ●●● 音無珠G 剛力珠 剛力珠 腕 ルースFアーム 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腰 イクスFコイル 123 ●●● 剛力珠 匠珠 脚 リオハートRグリーヴ 111 ●●● 剛力珠 報珠 カフ 匠カフPA1 防御値 546 スロット ■0□0●15○0 火 +11 水 +1 雷 +8 氷 +4 龍 +2 攻撃力UP【大】, 見切り+3, 高級耳栓, 火事場力+2, 幸運, 斬れ味レベル+1, 砥石使用高速化, 女神の赦し ランナー, 火属性攻撃強化【小】 課金まみれ☆ミ 脚をBPに変えれば防御が12あがるよ!でもせめて脚くらいは作ろうぜ・・・。 頭は匠+3さえ発動してスロ3であれば問題ない。TP2のアセルスFヘッドでも可 ちなみに私はこの装備でHR200過ぎまで居ました。 汎用性高すぎんだろうが・・・ メレティキット使用捕獲名人麻痺剣笛装備 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 神楽・覇【兜】 85 ● 剛力珠 胴 メレティFベスト 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腕 ルースFアーム 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腰 メレティFコイル 123 ●●● 剛力珠 笛吹珠G 音無珠G 脚 リオハートRグリーヴ 111 ●●● 捕獲珠G 捕獲珠G カフ 麻痺剣カフPA1 防御力 565 スロット ■0□0●13○0 火耐性 +11 水耐性 +1 雷耐性 +11 氷耐性 +3 龍耐性 +3 攻撃力UP【大】, 麻痺剣+3, 見切り+3, 捕獲名人, 火事場力+2, 高級耳栓, 体力回復アイテム強化, 気絶確率半減 斬れ味レベル+1,笛吹き名人 2400円で購入可能なメレティキットを使用。 胴、腰に匠3とか強すぎんだろうg・・・買ってないけどな! ・・・ん?作ったけど剣晶の付け方が分からないィ? キーボードのShift押しながら3押してみ。武器しまって、直立不動が条件な! コントローラーの場合・・・まぁPS2コンで例えるぞ。 R2を押しながらR3押し込みだ。R3は右スティックの押し込みだから間違うなよ? 設定変えてたら【わかりません】 スパIVキット使用匠業2装備 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 超絶のピアスIV 66 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 胴 デスモFベスト 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腕 デスモFアーム 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 研磨珠 腰 昇龍Fコイル 123 ●●● 研磨珠 研磨珠 研磨珠 脚 デスモFレッグ 123 ●●● 斬空珠G 斬空珠G 斬空珠G カフ 匠カフPA1 防御値 558 スロット ■0□0●15○0 火 4 水 4 雷 4 氷 4 龍 4 攻撃力UP【大】, 業物+2, 見切り+3, 火事場力+2, 高級耳栓, 回避性能+1, ランナー, 砥石使用高速化 斬れ味レベル+1 1000円という破格の値段で買えるスパIVキットを使用。 しかし、腰だけ。腰=黒帯だけなのはどうにかならないものか・・・。 TP3のデスモも使用。 運がよければ2000円。悪ければ5000円注ぎ込んでも出来ないこの装備。 汎用業2装備という事もあり、よく見かけるこの装備 頭装備はテクストFヘッドか、超絶のピアスIVかの2択。テクストは8.0プレミアムパッケ、超絶のピアスはHR400突破報酬 どちらにしても入手は容易ではないようだ・・・。 ちなみにテクストの見た目はこちら。 → キノコ頭 お尻くっきりアッー!な剣士装備 部位 名称 防御 スロット 装飾品 頭 フェロウバンダーF 66 ●● 神足珠 剛力珠 胴 デスモFスーツ 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腕 デスモFアーム 123 ●●● 剛力珠 剛力珠 剛力珠 腰 昇龍F黒帯 123 ●●● 剛力珠 斬空珠G 斬空珠G 脚 ベルFXグリーヴ 180 ●● 斬空珠G 斬空珠G カフ 匠カフPA1 防御値 615 スロット ■0□0●13○0 火 5 水 7 雷 10 氷 4 龍 5 攻撃力UP【大】, 回避性能+2, 見切り+3, 業物+2, 火事場力+2, 高級耳栓, ランナー, 斬れ味レベル+1, 早食い ベルFXの性能は壊れてやがる・・・匠+5ってどういうことなの・・・ 女キャラならこの装備はいいぞ・・・見た目も悪くない・・・が・・・ッ!!!! なんで男はケツのシルエットがクッキリと浮き上がらなければならんのだ!
https://w.atwiki.jp/p2kwsk/pages/37.html
ペルソナ2のテーマ 罪OPの詩はハイネのドッペルゲンガー 静けき夜 巷は眠る この家に 我が恋人は かつて 住み居たりし 彼の人はこの街すでに去りませど そが家はいまもここに残りたり 一人の男 そこに立ち 高きを見やり 手は大いなる苦悩と闘うと見ゆ その姿見て 我が心おののきたり 月影の照らすは 我が 己の姿 汝 我が分身よ 青ざめし男よ などて 汝 去りし日の 幾夜をここに 悩み過ごせし 我が悩み まねびかえすや 本編にも対比の表現が多い 表と裏 光と闇 日常と非日常 フィレモンとニャルラトホテプ 表に出ている自分、シャドウの存在 キャラの名前も意識的に似せている(周防達哉と須藤竜也、三科栄吉と吉栄杏奈など) 子供の生き方と大人の生き方を対比している 「罪」を時間に例えると夕暮れ(大人と子供の境目、曖昧さゆえの不安)、「罰」を時間に例えると夜(大人そのものの象徴、思索や判断を行う時間) 世紀末(1999年)と新世紀(2000年)。発売された時期だが、世紀の始まりと終わりに抱く漠然とした不安は共通している。 罪:達哉が記憶を自分だけ捨てたくなかった為罰を受ける 罰:達哉が自分の罪と向き合った話 小説の里見対談でも対・対照的になっていると述べている
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8576.html
前ページ次ページゼロのペルソナ リコード 虚無魔法“記録”から目覚めたとき、誰も喋ることができなかった。 時はジョゼフがトリステインに火石を落とし、それがルイズのディスペルによって打ち消された後。 場所はトリステインの王城のある一室。 そこに集まっていたのは王女アンリエッタ、枢機卿マザリーニ、ガリア新王を称するタバサ、ルイズとキュルケ、彼女らの使い魔陽介、完二、クマ、そしてイザベラもいた。 9人はリコードにより、トリスタニアを襲撃したヴァリヤーグの槍の記憶を見た。 人間が恐れたやまないエルフたちを次々と餌食にしていく嘘のような、そして凄惨な光景。 エルフたちを襲う光景の中にはルイズをさらおうとした巨大な火竜と、王都を襲った巨大な金属ゴーレムの姿もあった。 しかもそれらは1体ではない。数十、もしかしたら数百かそれ以上の数がいたのだ。 それから銀色の鏡のようなものを通りジョゼフの使い魔となったことも知る。 「おめーらが今、リコードで見たバケモノどもがブリミルの力なのさ。ブルミルはむかしその力で人間の住む世界を統一した」 部屋の中にいる9人のどの人間のものでもない声が響く。 それは完二の背中にある剣から発せられている。 デルフリンガーは前回、王女たちとの話し合いの場に武器は持ち込めないために参加できなかったが、本人たっての希望で参加している。 自分はブリミルに作られた剣だと言って。 「ゴーレムみたいなのはヨルムンガンド、亜人をヴァリヤーグ、それに巨大種の火竜。それぞれをブリミルはガンダールヴ、ミョズニトニルン、ヴィンダールヴと呼んだもんさ。つってもブリミルにみんなまとめてエルフたちの住む土地の東に行かされたけどな」 話を聞いていた中で、比較的落ち着きを取り戻していたタバサは尋ねる。 「どうしてそんなことを?」 「そりゃ、オメエ、ブリミルが死んでコントロールを失った使い魔たちが人間を襲わねえようにするためさ。だから使い魔たちの住む場所を、人間の住む国より東にあるエルフの土地の更に東に置いた。そうしとけばエルフたちが壁になってくれっだろ」 それはこの世界で生きてきた人間にとっては衝撃的なことであった。今の今まで恐るべき、そして憎むべき敵とも思い、実際に何度も戦火を交えてきたエルフたちは人間を怪物から守ってくれていたのであった。エルフたちは自衛のために戦ってきただけだとしても。 「つってもエルフたちも限界なんだろうな。ジョゼフがエルフと繋がってるみてえだが、エルフが虚無の担い手と接触するって言うならまず使い魔たちをどこか別の場所にやってもらおうっていう魂胆なんだろうよ」 今までの話からジョゼフが虚無の担い手であると推察はできたものの、初めて明言されたアンリエッタとマザリーニも戸惑う。もっともそれ以外の、ルイズを除く全員はそのことについてちゃんと話を聞いていなかったのだが。 「ジョゼフ王は虚無の継承者なのですか……?」 「ま、たぶんまちがいねーだろ。それより俺はどこか別の場所にやってもらおうって部分に驚いて欲しかったんだけどな」 「どこか別の場所……。まさか我々の国々にですか!?」 思案したのちに思いついたアンリエッタの言葉が響くとともに緊張が走る。 もしあれだけの怪物が人間たちの世界に放たれればどのような惨事になるか想像もできない。 何せ一人で人間10人以上の戦力になるといわれるエルフたちが一方的な虐殺を受けるほどのバケモノだ。 たとえ全ての国の軍事力が結集しても勝てるかどうかわからない。 「そうだろうな」 「ですが使い魔を呼び出せるのは一人一体のはずでは?」 マザリーニの質問は魔法使いにとっての常識中の常識である。たとえ命令することが出来ても呼び出せないならば意味はない。 「正当な虚無の使い手なら特別に3体、一種につき一体呼べんだけどな……。 ま、それでも足りねーよな。 しっかしそこはさすがブリミルというか、自身の力を引き継ぐ者が現れたときにちゃんと使い魔を呼び出せるように大規模な召喚のゲートを開ける場所を用意してんのさ」 「ど、どこなのよ?」 イザベラは焦りから身を乗り出す。先に抑えることが出来れば使い魔の軍団を呼び出すことはできないはず。 「聖地だ」 聖地とはブリミル教にとってもっとも重要な土地とされる場所である。それは果たして使い魔の召喚の場所であったのだ。 この世界で育った人間たちには常識が壊れていくような音が聞こえた。 「つっても場所は、人間とエルフの住む国境近くにあるって以外俺も知らねーんだけどな。 エルフたちはシャイターンの門って呼んでるらしいが、門って言ってるだけあっちの方が正確かもしれねー。 あれは使い魔を呼び出すための門みてーなもんだし」 聖地はエルフたちが現在領有していると言われている。 言われているというのはブリミル教が聖地はどこにあるかを知らないためだ。どこにあるかわからないがエルフたちの所有している土地を奪い返すことなど不可能である。 6000年も続く戦いの中でエルフたちと戦って得た土地など微々たるもの。それどころか反攻で、奪われた土地のほうが多いだろう。 そして人間たちが攻撃しても、エルフたちが人間を追い出す程度に止めていたのは正反対の場所に使い魔たちがおり、それらが後患の憂いとなっていたからなのかもしれない。 「勝算は?」 マザリーニがデルフリンガーに真摯な瞳で尋ねる。 実質的宰相とも言われる枢機卿が真剣に頼みごとをする姿は滑稽といえるかも知れないが、彼もそしてこの場にいる全員が固唾を飲んで始祖の作った剣の言葉を待つ。 「ルイズだ。ルイズはもともとそのために虚無の力に目覚めたんだからな」 言われた当の本人は、覚悟していたようにその言葉を受け止める。 「ブリミルもな、虚無の力がとんでもねえ悪人に渡ったら、って心配したんだよ。 虚無の魔法を使うために1つの秘宝と1つの指輪。 使い魔たちを呼び出すのに、一種の使い魔につき一個、つまり3つの指輪が必要にと厳重な制限をかけてもまだ心配だった。 だから虚無の力を分けた。つまりルイズ、お前さんはカウンターなのさ」 場の視線はルイズに注がれる。 「わかってた……っていうとちょっと違うけどその話を聞いて納得したわ。わたしはあいつを敵だと感じたわ」 「だろーな。だが、問題は使い魔だった。 たとえ同じ虚無の力を持っても使い魔の軍団がいる以上、その対抗する担い手に勝ち目はねえからな。 なにせあいつらはこの世界で最強の存在だ。だからこの世界の他のどんな幻獣を呼び出しても勝てるはずがねえ。 だからブリミルは自分も知らねえ、虚無の4種めの使い魔を作った」 不思議なことを言うとみな眉をひそめた。 「デルフ、それってどういうこと?ブリミルは4体の使い魔を率いたって言われてるはずよ」 「じゃあキュルケ、その4番目の使い魔の名前わかるか?」 キュルケは首を振った。尋ねるように視線を向けてもみな同じようだ。 始祖が4体の使い魔を引き連れたというのはよく知られた話であり、少し書物を引けばガンダールヴ、ミョズニトニルン、ヴィンダールヴの名はすぐに知れる。 だが4番目の使い魔の名を知っている者はこの場には、それどころかこの世界にいない。 「そりゃそーだ。ブリミルが率いたのは4番目の使い魔なんていねーんだからな。 ブリミルは正当な虚無の担い手に対抗するために生まれる担い手の召喚の扉に細工をしたのさ。 扉が異世界で開くようにな。それで呼び出されたのが4種めの使い魔だ。」 今まで少し話についていけなくなっていた陽介、完二、クマが話に注意を引かれる。自分たちが呼び出された原因というのは始祖という人物だったのだ。 「な、なんでそんなことを?」 「虚無の使い魔はこの世界最強だ。だからこの世界でどんな使い魔を呼び出しても対抗すらできない。 なら、異世界から強いヤツを呼び出してソイツに戦ってもらえばいいとブリミルは考えたのさ」 全員が押し黙った。 沈黙の中、答えを返された陽介は言った。 「ブリミルさんテキトー過ぎじゃね?」 ルイズは伝説の始祖をないがしろにしたことを言う陽介を睨んだが、それだけで何も言わない。ルイズも意識したにしろ無意識にしろ陽介の言ったことを思ったからだ。他の全員も同様だ。 デルフリンガーは笑っている。 「確かにそのとおりでえ。しかもどーいうわけか、娘っこの使い魔だけじゃなく、そこのねーちゃんとちびっこの使い魔までそうしちまったってわけだ。 ジョゼフが一回で3体の使い魔を呼ぶように娘っこも3体呼んじまったんだろうな。それも不完全で、他の魔法使いの召喚に割り込む形で」 ルイズが驚いたように目を少し見開き、それからうつむいたのをキュルケは見逃さなかった。 「今、ジョゼフは姿を消してるそうじゃねえか」 「確定した情報ではないが、ガリアは現在混乱状態にあります。おそらく王が姿を消したように推測されますが……」 「あいつは門に行って使い魔を呼ぼうとしてるんだろうよ。あいつはもう3つのルビーがあるしな」 「ロマリアを攻めたのも、始祖の時代から伝わる指輪を手に入れるためなのですか……?」 「それ以外ないと思うぜ」 重い沈黙が流れる。 イザベラは目を伏せてスカートを強く握る。タバサは手をイザベラの手にそっと重ねる。 沈黙を切り裂いたのはアンリエッタの力強い声だった。 「次にジョゼフ王……いえ、もう王ではないですね。 ジョゼフが攻めてくるときは恐ろしい使い魔を連れてくるでしょう。 わたしたちは戦わなければいけません。どれほど絶望的であろうとも」 それから三人の使い魔に姿勢を向ける。 「あなたたちは別の世界から来たといいます。きっとそうなのでしょう。 この世界はあなたたちの世界ではありませんが、始祖ブリミルのご導きで出会えました。ぜひともお力添えをお願いします」 アンリエッタは深々と頭を下げる。 「ちょっ、頭さげるとかやめてください!」 彼女の行動に陽介は慌てた。 アンリエッタは顔を上げた。 「協力してくださるのですか?」 異世界から呼び出された3人は顔を見合わせる。 「実を言うとこのために呼び出されたとか言われてもよくわんないし、たぶんそれじゃあ命かけて戦おうなんて思わないっす」 それは言うまでもなく、彼らと同じ立場に立たされた者なら誰もがそういうだろう。しかし陽介の言葉はそこで終わらない。 「でもこの世界に来て一ヶ月程度だけど、仲間が出来た。大切な仲間が。そいつらをほっとくなんてできることじゃねえ」 陽介はタバサの肩に手を置いた。彼女は彼の顔を見上げた。じっと見つめてくる少女に笑うことで答える。 「オレもだ。世話になったやつもいる。ダチがアブねえってのに知らん顔なんて男じゃねえ」 「クマもこの世界の人を守りたい。クマはみんな大好きだから」 それぞれの主は使い魔の言葉に感銘を受けたようだ。 アンリエッタは全員の顔を見回してから言った。 「戦いは苛烈なものになるかもしれません。それでもこの世界を守りましょう」 全員が強く頷く。 ハルケギニアの権力者たちがグラン・トロワの一室に集まっているとき、その宮殿の庭にある噴水の外円に腰かけている二つの姿があった。 その一つは丸みをおびていて大きい。 「最近ちょっと暑くなってるけど、夜は涼しいわね」 時刻はすでに深夜であり、噴水の水面には美しい双月が映し出されている。 「そうクマね……」 キュルケは隣に腰かけているきぐるみ姿のクマを見る。 球型の体で細い噴水の縁に腰かける様子は危うい。前から押したら抵抗することもなく水面に後頭部からダイブだろう。 だがそれよりも気になるのはクマの様子だ。 「何か悩みごとがあるの、クマ?」 クマの様子は眼に見えて混乱を見せた。あたふたと動き、バランスをくずして水辺に落ちそうなのが心配だ。 「べ、別になんでもないクマよ!」 「あら、わたしに隠しごと?」 「むっ……」 しばらく黙って後、クマは観念した。 「この間、デルフが言ってたことを考えていたクマ」 「不安になったの?」 「そーなんだけど、たぶんキュルケチャンとは別のことクマ」 「どういうことよ?」 「デルフは強い人を呼び出すって言ってたクマ」 「あなた人なの?未だによくわからんないんだけど」 「ガク」 クマはおおげさに前のめりに倒れるフリをする。 「もう、キュルケチャン!イジワルはやめて欲しいクマ!今クマ真剣な話してるクマよ!?」 「ごめんなさい」 イジワルだけってわけじゃないんだけど。それは口に出さず謝る。もっともクマのどこかコミカルな動きに少し笑いながらだが。 「だから、クマは強いから呼びだされただけなんじゃないかって……。 クマはきっと何か理由があってキュルケちゃんに呼び出されたんだと思ってた。でもクマじゃなくたって強ければ誰でもいいんじゃないかって……」 じっと真面目に話を聞いていたキュルケが口を開いた。 「あなたって本当にバカね」 「ななななんですと!?」 立ち上がってキュルケはクマを正面に回って、見据える 「バカって言ったのよ。えい」 つんと軽くクマの体を押す。 「あ、あわわわわ」 腕を振りながらなんとかクマは噴水への落下を防いだ。 「な、ナニするクマ」 「だってあなたがあんまりにもバカだから」 「だからクマのどこがバカだっていーんですか!?」 「今からたっぷり教えてあげるわ」 「なんだかカンビなヒビキ…」 「みんなも来たしね」 「えっ?」 キュルケはクマの向こう側、噴水の向こう側へと片手を高く上げて振っている。 クマも噴水の縁から降りて振り返るとたしかにそこには4人の人物がいた。 ルイズと完二、タバサと陽介だ。 「あんたたちこんな夜中に何してるのよ?」 「あら、ずいぶんな言い方ねルイズ。お話が終わるのを待ってたのよ。 ずいぶん長い時間かかってたみたいだけどどうだった?」 「協力を取り付けられた」 「そう良かったじゃない」 ルイズはそんなことはないという風にオーバーリアクションで首を振る。 「みんな質問が多すぎるのよ。虚無の魔法使いだからって何でもわかるわけじゃないのよ!?」 よほど質問詰めにされたのであろう。おそらく喋らせたら朝まで愚痴をこぼすかもしれない。 「そんなことより聞いてよ、クマったらさっき何て言ったと思う?」 「そんなこと!?」「キュルケチャン!?」という二つの制止の声は無視する。 「この子ったら、強い使い魔が呼び出されるなら別に自分じゃなくてもよかったんじゃないのかって、偶然呼び出されたんじゃないかって悩んでたのよ?」 「はあ?んだソリャ、イミわかんねえ」 言葉の通り、完二はなぜそれが悩みの種になるのか理解できない様子だ。 「い、イミわからんて……」 「お前はよくどーでもいいことで悩むよな」 「どーでもいい!?」 クマは陽介の切捨てる言葉に驚愕の声を上げる 「どーでもいいだろーが。別に俺らが呼び出された理由なんて。 どんな理由で俺たちがこの世界に来てもこの世界での体験したことが嘘になるわけでもねー」 「それはそークマ……」 「よーするにお前がこの世界に来てよかったかどうかだろ?」 陽介はクマを片目をつぶってみて来る。 「俺はよかったと思うぜ。タバサに召喚されて」 タバサが自分の使い魔に顔を向ける。 「ヨースケ……」 呼ばれた使い魔はへへっと照れくさそうする。 しかしタバサは親友キュルケを指差し、言った。 「でも、サビエラ村では彼女に呼ばれたかったと言ってた」 「えっ、アレ、そんなこと言ってたっけ?つーかよく覚えてましたね、タバサさん?」 突然、吸血鬼退治を行った村のことを言われてあわてる。 たしかに油断しきった魔法使いのフリをするためにお酒を飲んでいたときにポロっと何か言った記憶が…… 「しょーじきなトコロ、おんなじご主人様にするならクマみたいにボンッキュ……」 一字一句違わぬ言葉をタバサは淡々と紡ぐ。 まぎれもなく自分が言った言葉に記憶が想起されて陽介も焦る。 「わーっ!!ちょっ、マジやめて!つーかもしかして怒ってる?根に持っちゃってる系?」 陽介は自身より小さな少女に必死に言い訳を考え、刺激された記憶中枢からそれより昔のことを思い出す。 たしか召喚されて次の日の朝にタバサに召喚されて良かったと言ったはず。 「あっ、でもホラ。それより前にルイズよりタバサのほうがいいって言ったぜ?」 「それは床で食べさせようとしなかったというだけ」 ルイズも慌てた。なにせこの二人の主従が言っているのはまさに自分のことだからだ。 「む、昔の話じゃない!今はさすがにそんなことしようとしないわよ!」 完二が来た次の日、ルイズは彼を床で食べさせようとした。 その結果として完二が怒ってどこかへ行ってしまったりしたが、あとで自分と一緒に食べようと言ったはずだ。 もっともその後の完二の失言のためにその言葉は撤回されて、なんだかんだで彼は厨房で平民たちと共に食事をとるのを日課にしている。 慌てる二人と、落ちついて言葉数少なく反論するタバサたちを脇にクマが言う。 「クマは…ヨースケやカンジみたいな活躍してないクマ」 「何人もあなたの魔法で助けたじゃない」 「そーだぜクマ。ルイズがボヤっとして惚れ薬なんて飲みやがって、あの時は……」 「ちょっとあの時の話はやめなさいよ!あーもう、なんなのよ今日は!」 タバサや陽介に昔の話をしないように釘を刺しながらしっかりと自分の話は聞いていた。 完二はしまったと頭をかき、ルイズはぎゃいぎゃいと文句を言っている。 タバサと陽介、完二とルイズがそれぞれ白熱しているなか、クマは傍らに立つ自分の主を見る。彼女の目は優しい。 「キュルケチャンはクマが使い魔でよかったクマか?」 「当たり前じゃない。わたしにとって最高の使い魔よ」 その言葉を聞き、クマは感極まり泣き始め、抱きついた。 「おーよよよ、クマ、キュルケチャンの使い魔でよかったクマ!」 「ほらほら泣かない」 使い魔の肩というか背中らへんをぽんぽん叩いてやる。 「だからルイズも」 「今度は何よ?」 完二に文句を言っていたルイズがどうせまたろくでもないことだろうと思ってきっとキュルケをみる。 「わたしの使い魔があんたのせいで変わったからって巻き込んだとか思わなくていいのよ?」 「なっ——」 不意を打たれた、そういう顔をする。おそらくルイズも思うところがあったのであろう。 だがキュルケに言わせるなら何も気にすることではない。 それはタバサも同じようだ。 「気にしないで。ヨースケはわたしにとって最高の使い魔だから」 「タバサ…!」 気にかけていたことを二人にフォローされて、少し戸惑いながらルイズは虚勢を張った。 「ふ、ふん当たり前よ。むしろ感謝して欲しいくらいだわ!」 「いや、感謝はちげーだろ」 言い過ぎた感のある言葉に使い魔の冷静なツッコミが入る。 ルイズの顔は赤くし、キュルケや陽介、そしてクマが笑う。 「わ、笑うじゃないわよ!」 「む、ムリよ。あなたたちのコンビも息ぴったりなんだもの……」 さらに使い魔二人の笑い声が大きくなる。 「あ、今、タバサも笑ったでしょ!」 「笑ってない」 「うそ!今クスって……」 「笑っていない」 どうやら意地でも認めないということをルイズは悟る。 「もういいわよ……。そういえばタバサ、アンドバリの指輪返してもらったけどいいのよね?」 タバサはこくりと頷いた。 アンドバリの指輪はかつてウェールズを操ったレコンキスタにあったと思われていたものであり、タバサたちが入城を果たしたときにジョゼフの寝室にあったものだ。 レコンキスタにもジョゼフの影があったのであろう。 「水の精霊に返すって言ったけどとりあえず戦いが終わってからになりそう」 「みんなでラグドリアン湖に行ったことも、なんだか懐かしいわね。2、3週間くらいしか経ってないはずなのに」 「近くにいたけど俺らは別だったんだよな」 陽介とタバサはラグドリアン湖の畔にオルレアン公宅、つまりタバサの実家を訪れていたが、ルイズたちと同行したわけではなかった。 「あのときはギーシュとかモン……なんだっけか?まあいいや、モンモンも一緒にいたな」 「ん、誰だ、それ?」 「ほら、アレよ。カンジが来てすぐに食堂でつるし上げてたのと、その彼女」 「へー」 ん、何でそんなやつらと一緒に行ってたんだ?という陽介の質問は無視してルイズが言う。 「今度は6人で行けたなら、いいのに……」 ルイズは手の中にある指輪を見ながらポツリと呟いた。 「いいんじゃなくて、やればいいじゃない?」 「そーだぜ」 「クマもサンセークマ」 6人で指輪を返しにラグドリアン湖へ行く。それは誰にも魅力的な提案に見えた。 しかしこの約束が果たされる日は来ることはない。 その次の日、ヴェルサルテイル宮殿でガリア新王、シャルロット・エレーヌ・オルレアンそしてアンリエッタ・ド・トリステインの戴冠が行われた。 二人の戴冠式は同時に行われたのだった。 本来、戴冠はロマリア教皇が執り行うものである。しかし彼女たちは互いに冠を授けあった。 教皇が空位の場合や、来訪できない場合は戴冠は教皇の代理人が行うのが慣例であったが、あえて二人はこの選択肢を選んだ。 それはトリステインとガリアの強い結束を示すだけでなく、6000年前から続いてきた世界の変わりつつあることを示していたのかもしれない。 審判の日は近い。 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/game_rowa/pages/17.html
参加作品別キャラ追跡表 【ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて】 【ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド】 【FINAL FANTASY Ⅶ】 【クロノ・トリガー】 【ポケットモンスター ブラック・ホワイト】 【ペルソナ4】 【METAL GEAR SOLID 2】 【THE IDOLM@STER】 【BIOHAZARD 2】 【ドラッグ・オン・ドラグーン】 【龍が如く 極】 【NieR:Automata】 【MONSTER HUNTER X】 【名探偵ピカチュウ】 【Grand Theft Auto V】 【BIOHAZARD 3】 【テイルズ オブ ザ レイズ】 【大乱闘スマッシュブラザーズSP】
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/558.html
---連合国軍本部 応接室--- ミーナは再び連合国軍最高司令官に呼び出されていた。 司令が年輪のように刻まれた皺を一箇所に集め、厳かな口調で話し始める。 司令「それで、結局ネウロイは消えなかったわけだ・・・」 ミーナ「はい・・・」 視線少し下へ向け、ミーナが答える。 司令「滅びを呼ぶ者・・・『デス』・・・」 司令「実は君から報告を受けた後、こちらでも少し調べてみたんだよ。」 司令「そのデスについて・・・そしてグレゴリと名乗る2人組みの言う研究についてね。」 少し驚いた表情でミーナは司令を見る。 ミーナ「それで・・・何か手がかりは?」 司令「その事に関して知る人物を一人つかんだ・・・それもその人物は・・・君も、君の部隊のウィッチ達もよく知る人物だ。」 ミーナ「私達が知る人物・・・」 司令「この名前を覚えているかな?」 司令の口から告げられた人物の名はミーナの脳に刻まれた記憶を一気に呼び戻す事になる。 司令「『トレヴァー・マロニー元ブリタニア空軍大将』」 司令「以前、ブリタニアでのガリア開放作戦の際、君達第501統合戦闘航空団の上層部にいた人間だ。」 ミーナ「っ!!」 その名前に、思わず声を上げそうになる。 『トレヴァー・マロニー』。確かに司令はそう言った。 去るガリア開放の際の501の上層部の人間にして、ウィッチたちの活躍を目の敵にしていた人物。 世界の主導権を得るためには手段を選ばない男。ミーナはその男をそういう人物だと認識していた。 司令「彼はどうやらウォーロックの開発が知れ渡った後、軍法会議にかけられ、ブリタニアの刑務所に入れられているようだ。」 司令「君達が望むならば、ブリタニア本国と彼との面会を取り合ってみようと思うのだが・・・どうかな?」 考えるまでも無く、彼女はこう即答した。 ミーナ「是非、よろしくお願いします・・・」 司令「わかった。では日時が決まり次第、追ってそちらに連絡しよう。」 ミーナ「はい。」 司令「それと、宮藤軍曹についての件だが・・・」 ミーナ「彼女が・・・何か・・・?」 ミーナの表情が少し強張る。宮藤がネウロイの力を有している事は上層部にもまだ報告していなかった。 報告すれば、宮藤がどうされるか分かったものではない。 司令「彼女はネウロイの力が使えるそうだね。」 しかし隠すまでも無く既にバレていた。上層部の情報網も舐めたものではなかった。 ミーナ「はい・・・」 司令「いや、勘違いしないでくれ。彼女の事について黙っていた事を咎める気は無い。寧ろ君がそれを黙って気苦労をしていないか気になってね。」 ミーナ「え・・・?」 司令「宮藤軍曹には引き続き君の部隊で頑張ってもらう。だからそのことについてもう隠す必要は無いよ。」ニコ と父親のような微笑を浮かべて司令はそう言った。 ミーナ「閣下・・・ありがとうございます・・・」 一方・・・ 残されたメンバー達はミーナが不在かつ、ネウロイ出現の気配も無かったためこの日は非番とされた。 俺はエーリカの運転で僕を連れ、僕の記憶の手がかりを探すために買出しついでに町へと繰り出していた。 ---街中--- キィッ エーリカ「とうちゃーく。運んであげたんだから約束、守ってよね~」ニシシ 約束とは彼女にお菓子を満足ゆくまで振舞うというものだ。 俺「うぇっぷ・・・了解っス・・・」 三人が車を降りる。 僕「それにしても、綺麗なところだね・・・」 エーリカ「ってことは、この景色見ても思い出すことはなしか~」 僕「うん・・・でも、少なくともこの景色ははじめてみたよ。」 俺「そっか・・・」 エーリカ「ま、もうちょと景色見ればなんか分かるかもしんないし、ちょっと歩いてみない?あたしも付き合ったげるからさ。」 僕「ありがとう、エーリカさん。」 俺「あれ・・・?」 僕「どうしたんだい?」 ふと目を向けた俺の視線の先に1人の男性。しかし、どうも様子がおかしい。 奇妙な男「あ・・・ああ・・・あ・・・・・」 俺「どうしたんですか!?」タッタッタ 男性の元へと急いで駆け寄る。 奇妙な男「うあ・・・ああぁぁ・・・あ・・・ああ・・・」 男性はただ一点を見つめ呻き声を上げている。 俺「大丈夫っスか?しっかりするっス!」 エーリカ「ちょっと診せて!」 エーリカが男性の状態を確認する。 医師を目指していた彼女は、それなりにも医学に通じていた。だが・・・ エーリカ「私・・・こんな病気、知らない・・・」 僕「一体・・・どうしたんだろう・・・?」 俺「わからない・・・」 女性の声「きゃああああああぁぁぁ!!」 俺 エーリカ 僕「!?」 町の平穏な雰囲気を切り裂く悲鳴。叫びが聞こえたほうへと視線を移す。 そこには地を這う黒い塊。 バスケットボール程の大きさで、球に腕を生やしたような少々グロテスクな姿のネウロイがいた。 エーリカ「あれって・・・」 俺「ネウロイ!!」ダッ! 急いで女性の元へと走り出す。 僕「俺くん!!」 女性「いや・・・こないで・・・!」 小型ネウロイは女性へとゆっくり近づく。 俺「このッ!」ガンッ! 女性が襲われる直前で俺は小型ネウロイを蹴り飛ばす。 グガッ! ネウロイは衝撃で少し遠くへ吹き飛ばされる。 俺「大丈夫っスか!?」 女性「は・・・はい・・・」 俺「よかった。僕、この人を連れてどこか安全な場所へ!」 僕「わかった!さあ、こちらへ。」 僕は女性を連れそこから走り去る。 ギチギチ… 金属を擦り合わせたような音を発しながら、ネウロイが今度は俺へとゆっくり近づいてくる。 俺「クソ・・・丸腰じゃ・・・」 俺「いや・・・こいつがあったな。」 俺は腰のホルスターからハンドガンを取り出す。 この前手に入れたペルソナの召喚器だ。 俺(大丈夫だ・・・もう暴走したりは・・・しない・・・!) 次第にネウロイが近づいてくる。俺は目を瞑り銃口をこめかみに当てる。 俺「集中・・・」 一度呼吸をおいて集中する。 ギギギギギギ!! そうこうしている内にネウロイが襲い掛かってきた。が・・・ カッ!と、目を見開き、もう1人の自分の名を叫び、トリガーを引き絞る。 俺「オルフェウス!!」バァン! 俺の頭に衝撃が走ると同時に、背後から機械人形のような姿をしたペルソナ、オルフェウスが現われる。 俺「いけぇ!」ガツッ!! 俺の意思に呼応し、オルフェウスが背負っていた琴でネウロイを殴りつける。 ギュオオオオオ!! 大きく悲鳴を上げた後、ネウロイは白い破片を散らし消滅した。 俺「ふぅ・・・終わったか・・・」 オルフェウスも役目を終え、次第にその姿を霞ませてゆく。 エーリカ「うっそ・・・何あれ・・・」 オルフェウスの姿をまだ見ていなかったエーリカは驚きを隠せない様子だった。 男性を診ていたエーリカの元へ俺が戻ってくる。 俺「大丈夫っスか、中尉?」 エーリカ「う、うん。ねぇ俺、今の・・・」 俺「あ、そっか。中尉はまだ見たことなかったんスよね。」 俺は自身のペルソナの力について説明した。 エーリカ「そうなんだ・・・やるじゃん、俺~」 俺「あはは・・・光栄っス。」 僕「おーい!2人ともー。」 女性を避難させた僕が戻ってくる。 俺「僕、あの女の人は?」 僕「大丈夫。ちゃんと安全な場所まで連れて行ったよ。近くに居た人も避難してたみたいだね。」 俺「そっか、サンキューな。」 エーリカ「ねぇ、とりあえずこの男の人病院へ運ぼう?」 俺「そうっスね。僕、手伝ってくれ。」 僕「うん。」 その後男性を病院へつれて行き、三人は基地へと戻った。 夕方 ---基地内ラウンジ--- 基地へ戻った後、俺は早速バウムクーヘンを焼いて皆に振舞った。 エイラ「ふーん・・・街中にネウロイカ・・・」モグモグ ルッキーニ「そのネウロイは倒せたの?」アムッ 俺「はいっス。ただ・・・」 シャーリー「ただ?」モグモグ 俺「なんだか変になっちゃった男の人がいて・・・えっと・・・なんて説明すればいいか・・・」 エーリカ「そうそう。なんかね、その人の目に光を感じられなかったんだ。」 エーリカ「それでずっと呻き声をあげてて、その場から動こうとしないんだよ。なんだか、生気が無くなちゃったみたいにさ。」 坂本「ふむ・・・瘴気にあてられたのかもしれんな・・・」 俺「はいっス。それで、その後ボールみたいなちっこいネウロイが現われて・・・もしかしたら、あのネウロイが原因で変になっちゃったんじゃないかって。」 ペリーヌ「なんだか信じがたい話ですわね・・・」 話しているところへ宮藤がやって来た。 芳佳「あ、みなさんこんなところに・・・ !!」ピコッピコッ 宮藤は突然使い魔の耳と尾を発現させ、同時に左目を赤く染める。 僕「やぁ、宮藤さん。こんにちは。」 芳佳「ダメ・・・」ボソッ… 僕「え?」 芳佳「ごめんなさい!!」タッタッタ… 宮藤はそのままどこかへ走り去った。 坂本「宮藤!」ガタッ! タッタッタ… 坂本も宮藤を追いかけてラウンジから出て行った。 ペリーヌ「お茶の変え、持ってきますわ。」ツカツカ… リーネ「わ・・・私も行きます!」タッタッタ ペリーヌとリーネの二人も出て行ってしまった。 エイラ「どうしたんだろうナ、ミヤフジのヤツ。」 僕「・・・・・」 俺「そう気を落とすなって、ほら、まだお菓子あるからさ。これ食って元気出せよ。」 僕「うん・・・ありがとう。俺くん。」 ---基地内バルコニー--- 坂本「一体どうしたんだ、宮藤?」 芳佳「坂本さん・・・」 坂本「さっきのお前の焦り方、尋常じゃなかったぞ。何があったか話してみろ。」 芳佳「・・・・・」 だが、宮藤はは黙りこくったまま何も話そうとしない 坂本「宮藤。」 芳佳「はい・・・」 坂本は宮藤の両肩に手を置く。 坂本「私はいつだってお前の味方だ。これまでも、そしてこれからも。」 坂本「だから私を信じて、どうか話してくれないか?お前が悩んでいる事を。」 芳佳「・・・・・」 観念したのか宮藤が口を開く。 芳佳「・・・怖いんです。」 目を伏せながら宮藤がそう呟いた。 坂本「?」 芳佳「よく分からないんですけど・・・怖いんです、あの人が・・・」 坂本「怖い・・・?」 宮藤は肩を小刻みに震わせている。坂本はそれを手で感じ取った。 芳佳「・・・あの人の近くに行くと、私の中のネウロイが急に苦しむみたいで・・・」 芳佳「あの子・・・きっと怖がってるんです、彼を。それで私まで怖くなっちゃって・・・」 芳佳「私・・・きっと傷つけちゃってますよね・・・僕さんのこと・・・」 宮藤はぐっと唇を噛んだ。 坂本「そうか・・・よく話してくれたな、宮藤。」 坂本は肩に乗せていた手の片方を彼女の頭の上に乗せ、撫でる。 芳佳「坂本さん・・・」 坂本「何もお前1人で抱え込むことはない。私達は仲間・・・いや、家族なんだからな。」 芳佳「・・・ありがとうございます・・・坂本さん・・・」 その様子を見守る影が二つ・・・ ペリーヌ「・・・・・」 ツカツカ… リーネ「ま、待ってくださいペリーヌさん!」コソコソ 夜 ---ブリーフィングルーム--- 僕は軍事関係者ではないためこの時間は部屋で待機させている。 本部から戻ってきたミーナが話を始める。 ミーナ「今日は皆さんに大切なお話があります。」 ミーナが真面目な表情で口を開く。 シャーリー「もしかして、デスのこと?」 ミーナ「ええ、そしてグレゴリの2人が施された研究について・・・」 ミーナ「それを知る人物と、近々面会をすることになりました。」 坂本「なんだと!?」 ゲルト「一体誰なんだ!」 驚きを隠せない2人が声を上げる。 しかし、ミーナはそれを冷静に諫める。 ミーナ「落ち着いて2人とも。」 坂本「あ・・・ああ・・・」 ゲルト「すまない。」 2人が平常心に戻ったのを確認し、説明を続ける。 ミーナ「その方は、以前私達とも面識の有る人物・・・」 ミーナ「トレヴァー・マロニー元空軍大将よ。」 全員「!?」 全員の表情が瞬時に強張る・・・ただ一人を除いて。 俺「へ?誰?」 ミーナ「そうね・・・俺さんは知らなかったわね・・・」 芳佳「マロニーさんってブリタニアの時の・・・」 リーネ「うん・・・私の国の大将の人だよ・・・」 エーリカ「どうして今更あいつの名前が出てくるのさ。」 ミーナ「私も詳しくは分からないわ。ただ、彼が人工ウィッチと人工ネウロイに何かしら関わっていたのは確かなようね。」 ゲルト「終わっても尚私達の邪魔をするのか・・・」 ゲルトの拳に力が入る。 ミーナ「ともかく、話を聞かなければなにも分からないわね。」 ミーナ「面会にはウィッチーズ全員・・・と言うわけには行かないので代表して私を含めた3人で行きたいと思います。」 ミーナ「それで誰か2人選ばなければならないのだけれど・・・」 俺「えっと・・・俺、行きたいっス。」 俺が真っ先に手を挙げた。 ミーナ「あら、どうしてかしら?」 俺「いえ・・・ただマロニー大将ってどんな人かなって・・・」 ミーナ「そうね・・・あなただけ知らないというのもアレですし・・・いいでしょう。」 ミーナ「それで、他には?」 サーニャ「あの・・・私も、行きたい・・・です・・・」 サーニャもオドオドしながら手を挙げる。 エイラ「サーニャ!?」 ミーナ「サーニャさん・・・ごめんなさいね。あなたが居なくなってしまうと夜間哨戒に出る人がいなくなってしまうのよ・・・」 サーニャ「っ・・・そう・・・ですね・・・」シュン ミーナの返答に、サーニャは残念そうな表情を浮かべた。 エイラ「サーニャ・・・中佐、どうしても無理なのカ?」 ミーナ「そうね・・・俺さんがいないとなると代わりが・・・」 俺「だったら俺、辞退するっス。」 サーニャ「え?」 俺「サーニャさんが行きたいなら、俺が残るっス。」 ミーナ(本気で言ってるのかしら・・・それとも・・・) エーリカ(鈍感だなぁ・・・あ、もしかしてエイラに気使ってんのかな?) シャーリー(コイツ・・・気づいてないのか?) ペリーヌ(まったく、この殿方は・・・) リーネ(俺さんェ・・・) はぁ・・・と周りの何人かがため息を漏らしジト目で俺を見る。 俺(あれ・・・心なしか一部の視線が冷たい気がする・・・) ルシフェル ――全くお前は・・・―― スルト ―――愚か者が・・・――― スカアハ ―――はぁ・・・―― 俺(なんなんスかお前らまで!) ミーナ「俺さんはああ言ってるけれど、サーニャさんはどうしたいかしら?」 サーニャ「いえ・・・私、残ります。俺さん、行って来て下さい。」 俺「え?いや、でも・・・」 エイラ「い、いいのカ?サーニャ?」 サーニャ「うん。いいのよ、エイラ。」 ミーナ「ごめんなさいねサーニャさん。それで、他には・・・」 芳佳「あの・・・じゃあ私、行きたいです!」 ミーナ「宮藤さん?」 芳佳「私・・・あの人には・・・まだ聞きたいことがあるから・・・」 ミーナ「そう・・・分かったわ。ではこの2人で決定しますがいいですね?」 ゲルト「ああ、基地のほうは任せてくれ。」 エーリカ「お菓子よろしく~」 ルッキーニ「おみやげもー!」 シャーリー「おいおいルッキーニ、旅行じゃないんだぞ。」 ゲルト「お前もだ、ハルトマン。」 エーリカ ルッキーニ「え~」 エイラ「サーニャを差し置いていくんだからきっちり聞いてこいよ、俺、ミヤフジ。」 俺「も、もちろんっス。」 芳佳「あはは・・・」 サーニャ「エイラ・・・」 ミーナ「ごめんなさいねトゥルーデ・・・あなたもクリスと会いたいはずなのに・・・」 快方に向かっているクリスであったが、完全に回復するまでには時間を要するようで、未だブリタニアの病院に預けられていた。 ゲルト「気にするなミーナ。今の副隊長は私だからな。このくらいの事は承知しているさ。それに、戦いが終わりさえすればクリスとはいつでも会える。」 ミーナ「トゥルーデ・・・」 エーリカ「トゥルーデおっとな~」 ゲルト「茶化すな、ハルトマン。」 まったく・・・とため息をつくゲルト。 坂本「なに、いざとなれば私も居る。心配せずに行ってきてくれ。」 ミーナ「そうね・・・よろしくお願いするわ。」 面会へ行く2人が選出された。 面会は都合上ブリタニアにある刑務所で行われることになっている。 そして後日、ミーナ、俺、宮藤の3人はブリタニアへと飛び立った・・・ 続き→ペルソナ14
https://w.atwiki.jp/nagisanosumidagawa/pages/27.html
入門オススメ曲リスト スタンダードモードでも最初は☆5までの曲なら失敗してももう一度出来ますが、 二曲目で落ちたら勿体無いので出来るだけSTEP UPモードで挑戦することをオススメします。 入門曲 ☆1 5.1.1. (N) 5+7トリルに注意 ☆2Tangerine Stream (H) Remember You (N) 5.8.8. (N) desolation (N) connective(N) CALL(N) Eternal Tears(N) ☆3 Presto (N) LOVE WILL… (N) Glorious Days (N) HIGHER (N) ライオン好き(N) Spica(N) SPACE FIGHT(N) Far east nightbird(N) Snow Goose(N) Flip Flap(N) LUV CAN SAVE U(N) おおきなこえで(N) かずあそび(N) ☆4Drive Me Crazy(N) ヒマワリ(N) Express Emotion(N) 突撃!ガラスのニーソ姫!(N) NoN-Fiction Story!(N) I m Screaming LOVE(N) ☆5恋する☆宇宙戦争っ!!(N) 練習曲 階段練習用LOVE WILL…(N)【☆3】 starmine(N)【☆5】 スクラッチ練習用Cheer Train(N) 【☆5】 昭和企業戦士荒山課長(N)【☆3】 Spin the disc(N)【☆5】 B4U(N)【☆5】 Glorious Days(H)【☆5】←低速注意 rottel-da-sun(N)【☆5】←高速注意 同時押し練習用Don t Stop(N)【☆2】 World Wide Love(N)【☆3】 Remember You(H)【☆4】 R5(N)【☆5】 Abyss(N)【☆5】 World Wide Love(H,A)【☆5】 bit mania(H)【☆5】 A--Let the Snow Paint Me(H)【☆6】 byss(H)【☆7】 連打(交互)練習用V(N)【☆5】 RIDE ON THE LIGHT (H)【☆5】 Colors(N)【☆6】 .59(H)【☆6】 outer wall(H)【☆6】 Schlagwerk(H)【☆6】 CN練習曲GRADIUS 2012【☆5】 蛇神【☆4】 アストライアの双皿【☆5】 参考にさせていただいたサイト http //www.yunyun.net/iidx/music.html#beginner 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/549.html
Episode6 『女帝と皇帝』 翌日 ---基地内廊下--- エーリカ「なんか面白いことないかな~」 エーリカ「おろ?」 バルコニーに一人たたずむサーニャを発見した。 エーリカ「さぁーにゃぁ!」ガバッ 後ろから飛びつくエーリカ。 サーニャ「きゃっ!ハ、ハルトマンさん・・・?」 エーリカ「どったのサーニャ、こんなとこで?」 サーニャ「いえ・・・その・・・」 エーリカ「悩みがあるなら話してみなよ、相談、乗るからさ。」 サーニャ「はい・・・実は・・・」 サーニャは先日の事を気にしていた。 自分の撃った弾がネウロイに当たらなかった事だ。しかも今回をあわせて2回も。 エーリカ「なるほどね・・・」 サーニャ「確かに命中しているはずなのにネウロイの体を通り抜けてしまって・・・」 サーニャ「俺さんとリーネさんの攻撃は当たるのにどうして私だけ・・・」 エーリカ「うーん・・・でもこの前はあたしも撃ったけど当たんなかったんだよね。」 サーニャ「でも、俺さんや芳佳ちゃんやリーネさんはどうして当てられるんでしょう・・・?」 エーリカ「なんでだろうね。まぁ、少なくとも宮藤はネウロイの力を持ってるからかもしれないねぇ~。」 サーニャ「はぁ・・・」 エーリカ「あんまり深く悩まないほうがいいよ、普段はちゃんと当たってるんだから。」 エーリカ「それに、いつか当てられるときが来るかも知んないしね!」 サーニャ「・・・そうですね、悩んでもしょうがないですよね。」ニコ エーリカ「そうそう、サーニャはそうやって笑ってるのが一番だよ!」 サーニャ「・・・・・///」 エーリカ「あ、照れた。かわいいな~。」 サーニャ「あ・・・あのハルトマンさん、相談にのってくれてありがとうございました///」 エーリカ「あーそのハルトマンさんってのなんとなく堅っ苦しいからやめない?付き合い長いんだし、わたしのことはエーリカでいいよ。」 サーニャ「は・・・はい。え・・・エーリカさん・・・」 エーリカ「う~ん、まあ及第点かな。今はよしとしよう、うん。」 エーリカ「じゃねーサーニャ!」タッタッタ エーリカは疾風のような疾さでどこかへ行ってしまった。 サーニャ「ほんと・・・おかしな人・・・」クスッ エーリカのおかげでサーニャの肩からいつの間にか重石が取り除かれていた。 サーニャ(ありがとう、エーリカさん。) ---基地内廊下--- 芳佳「あ、サーニャちゃん!」 サーニャ「芳佳ちゃん、それにリーネさんも。」 リーネ「私たち、今からお茶にしようと思うんだけど・・・」 芳佳「よかったらサーニャちゃんも一緒にどう?」 サーニャ「私もいいの?」 リーネ「もちろん!」ニコ サーニャ「ありがとう。あの・・・エイラも誘っていい・・・?」 芳佳「うん、いいよ!それじゃあ私たち先にバルコニーで準備してるね。」 サーニャ「うん。じゃあまた後でね。」タッタッタ 芳佳「なんだかサーニャちゃん前より明るくなった気がするね。」 リーネ「うん、私もそう思う。」 ---基地内バルコニー--- バルコニーにはサーニャとエイラを含め宮藤、リーネ、ペリーヌが集まっていた。 お茶にはリーネが入れた紅茶を。お菓子にはペリーヌの作ったタルトが振舞われていた。 サーニャ「このタルト・・・おいしい・・・」 ペリーヌ「当然ですわ!わたくしが腕によりをかけて作りましたのよ。」 エイラ「ふ~ん、ツンツンメガネにしてはなかなか上出来ダナ。ま、サーニャの作ったお菓子のほうがおいしいけどナ。」 ペリーヌ「あなたという人は・・・もっと素直にほめられませんの!?」 リーネ「ほんと・・・おいしい・・・」 芳佳「リンゴってこういう風にも使えるんだ・・・」 サーニャ「あの、ペリーヌさん。」 ペリーヌ「なんですの、サーニャさん?」 サーニャ「今度、このタルトの作り方、教えてもらってもいいですか?」 ペリーヌ「え・・・ええ、もちろんよろしくってよ!」 サーニャ「ありがとう、ペリーヌさん。」ニコ エイラ「ついでだから私も教えてもらうかナ。」 ペリーヌ「あなたもですの?ま、いいですわ。」 そのころ、俺はスイーツ不足で死に掛けていた。 俺「あぁ・・・だめだ・・・このままじゃ定期的にお菓子を食べないと死ぬ病で・・・うん?」スンスン 俺「こ・・・この匂いは・・・!!」ダッ 急いで駆け出しバルコニーへと向かう。 俺「あ、あれはあああああああ!!」 ペリーヌ「何事ですの!?」 サーニャ「俺さん!?」 俺がすごい勢いで駆け寄ってくる。 俺「そ・・・そのタルトは誰がつくったんスか・・・?」 芳佳「これは、ペリーヌさんが作ってくれたんですよ。」 俺「そ、それを・・・それを一切れいただけないだろうか・・・」 サーニャ「ペリーヌさんいいですか?」 ペリーヌ「え、ええ。よろしくってよ・・・」 サーニャが切り分けて俺の前に差し出す。 サーニャ「俺さん、どうぞ。」 俺「ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・!」 俺「では、いただきます。」パク 一口食べる。次の瞬間。 俺「う・・・」 ペリーヌ「う?」 俺「うますぎるっ!」 俺「このタルトのサクサク感といい、リンゴの甘酸っぱさといい最高だ!」 俺「ありがとうございますっス、クロステルマン中尉!おかげで命拾いしました。」 ペリーヌ「そんな大げさな・・・」 俺「いえ、俺、定期的にお菓子食べないと禁断症状を起こしちゃうんです。」 エイラ「呪われてんのかお前・・・」 ペリーヌ「そういうことですの・・・」 俺「ほんと助かりました、ありがとうっス。」 俺「サーニャさんもわざわざ切り分けてくれてありがとうございますっス。」 サーニャ「い、いいえ・・・」 俺「あの、も一つもらっていいっスか?」 ペリーヌ「ええ、まだありますから・・・」 俺「ありがとうございます!」 芳佳「私たちもお茶の続きしよう?」 リーネ「そうだね。」 サーニャ「パク・・・おいしい・・・」 エイラ「よかったナ、サーニャ。」 俺「あ、そうそう。もしかしてこのお茶会ってまたやるんスか?」 芳佳「はい、時間があればまたやりますよ。」 俺「じゃあ、次のお茶会のときは俺がお菓子作るっス!」ムフー! サーニャ「俺さん、お菓子作れるんですか?」 俺「はっはっは!これでも昔はスイーツマスターの称号を近所のおばさんからもらってたくらいっスからね。自信はあるっス!」 エイラ「どんだけローカルな称号なんダヨ・・・」 俺「マスターの俺に作れないお菓子はないっス!」エッヘン リーネ「ほんとうですか?楽しみだね芳佳ちゃん!」 芳佳「うん!」 ペリーヌ「なかなか楽しみですわね。殿方が作るお菓子だなんて。」 俺「期待してくださいっス。飛びっきりのお菓子つくるっスからね!」 数日後 ---基地内調理室--- 俺「とは言ったものの、何を作ろうか・・・」 あれから数日後またお茶会が開かれることになった。 なんでも今度は隊員全員が参加するそうだ。 俺「ケーキか?はたまた扶桑の煎餅とか・・・いや・・・やっぱ紅茶に会うもんじゃないとな・・・」 サーニャ「俺さん・・・」 後ろを見るとそこにはサーニャがいた。 俺「どうしたっスか、サーニャさん?」 サーニャ「あの・・・何か手伝うことあったらって思って。」 俺「手伝うことっスか・・・うーん・・・あ、そうだ、サーニャさんは何か食べたいお菓子とかありますか?」 サーニャ「食べたいお菓子ですか・・・えっと・・・」 俺「具体的でなくても、こんな味がいいとか・・・」 サーニャ「そうですね・・・それなら・・・ちょっとビターな感じだけど甘いお菓子が・・・」 俺「ビターで・・・甘い・・・」 俺「そうだ!!」 サーニャ「?」 俺「へっへー、ならティラミスをつくるっス!」ニッ サーニャ「ティラミス?」 俺「そうっス!あ、ちょっと手伝ってもらっていいっスか?」 サーニャ「は・・・はい!」 俺「えっとじゃあ・・・」 サーニャは俺のお菓子作りを手伝うことになった。 そして・・・ 俺「できた!」 そこには12人分のティラミスが完成していた。 俺「いや~サーニャさんが手伝ってくれたおかげで、思ったより早く完成したっス!ありがとう、サーニャさん!」 サーニャ「いえ、どういたして。」ニコ 俺(やっぱ・・・かわいいな・・・///) サーニャ「俺さん?」 俺「へ?あ、ああ。ちょっとボーっとしてたっス。じゃあ、これもってきましょうか。」 サーニャ「はい。」 ---基地内バルコニー--- ルッキーニ「きたー!」 エーリカ「おそーい!」 エイラ「サーニャ!どこいってたんだヨ、さがしたんだゾ!」 サーニャ「ごめんエイラ。俺さんを手伝ってたの。」 エイラ「なんだ、そうだったのカ。なんにせよ良かっタ・・・」 エイラ(でも何で俺が一緒に・・・)ムスッ ミーナ「あら、そのお菓子は?」 俺「はいっス。今日はティラミスを作ってみたっス。」 坂本「ちらみす?」 芳佳「ティラミスです、坂本さん。」 坂本「ふむ・・・扶桑以外の菓子はあまり詳しくないからな・・・」 ひと通り皆の前にティラミスがいきわたる。 俺「どうぞ、召し上がってくださいっス。」 全員「いただきまーす。」 ペリーヌ「これは・・・なかなか・・・」パク 俺「どうっスか?うまいでしょ?」 ゲルト「ああ、俺でもこんなうまいのが作れるんだな。クリスにも食べさせたいくらいだ。」 エーリカ「うまー!」 エイラ「サーニャが手伝ったんだから当然ダ!」 ルッキーニ「おいしー!」 シャーリー「あ、ルッキーニ口についてるぞ。ほらこっち向いて。」フキフキ ルッキーニ「ん・・・ありがと、シャーリー!」 サーニャ「おいしい・・・」 俺「気に入ってもらえてよかったっス!」ニッ サーニャ「は・・・はい///」 俺「? 顔赤いっスけど、大丈夫っスか?」 サーニャ「え?あ、はい・・・大丈夫・・・です・・・///」 俺「そっスか?あ、もしよかったらまた作るっスね!」 サーニャ「はい。」ニコ エーリカ「なーんかあの2人いい雰囲気だよね~」パクパク ゲルト「そうなのか?私にはいつもどおりに見えるが。あむっ。」モグモグ エーリカ「はぁ・・・」 ゲルト「?」モグモグゴックン それからまた何日かが過ぎた・・・ ---俺の部屋--- 深夜0 00 俺「う・・・ん・・・」 また深夜に目覚めた。外の月が俺の部屋を照らす。 アニマ「あ、おはよう・・・じゃないか、こんばんわ。」 俺「またお前か・・・」 アニマ「つめたいなぁ。そろそろ僕が来る意味わかったよね?」 俺「また試練なんだろ・・・」 アニマ「その通り。しかも、今回は一体だけじゃないみたいだ。」 俺「あんな厄介なのがたくさん来るのか?冗談じゃない・・・」 アニマ「う~んでも、僕にはどうしようもないんだよね。」 俺「今度はどんな奴が来るのか教えてくれないのか?」 アニマ「それは会ってのお楽しみ。ま、何体来るのかは教えてあげられるけど。」 俺「いくつだ・・・?」 アニマ「今回は2体・・・だね。」 俺「2体・・・か・・・まぁ、なんとかしてみせるさ。」 アニマ「たのもしいね。僕、君のこと気に入ったよ。ねえ、僕と友達になってくれないかい?」 俺「急になんだ・・・」 アニマ「僕、実は友達いないんだよね。だから寂しいんだ。」 アニマ「君に知らせるときにしかこれないけど、どうかな?なってくれる?」 俺「別に増えて困るもんじゃないし・・・いいよ、アニマ。」 アニマ「本当に!?うれしいな。じゃあこれは僕からの親愛の証だ。」 俺「?・・・なんだこれ?」 渡されたのは鍵のようなものだった。 それには『Memento mori』と彫られている。 アニマ「それはいつか君の役に立つはずだよ。」 俺「いつかって・・・いつだよ・・・」 アニマ「それは君が『答え』にたどり着いたときさ。それじゃあね、僕の大切な友達・・・」スー… そういい残し、アニマは消えてしまった。 月はまもなく満月になりそうだった。 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「では、ブリーフィングを始めます。」 ミーナ「今日は先日バルト海海上に現われた、あのネウロイを討伐します。」 実は昨日、以前ロマーニャに現われたものに似た塔のようなネウロイが出現していた。 ネウロイは一向に動く気配を見せず、その場で停滞したままだった。 幸い、コアの位置は前回ほど高くはないためストライカーでも十分到達可能な高度だった。 ミーナ「作戦の決行は今夜、全員で討伐に当たります。ですので・・・」 坂本「お前達は寝ろ!」 夜―出発前― ---食堂--- コトッ 俺「これは?」 リーネ「ジンジャーティーです。空の上は冷えますから・・・」 俺「なるほど・・・」 芳佳「今回もリーネちゃんのお家の方からブルーベリーを送っていただきました。皆さん召し上がってください。」 俺「ブルーベリーもあるんですか。ならこんどはこれでパイでも焼いてみましょうか。」 芳佳「わー!楽しみです!」 俺「そのまえに、ネウロイをやっつけないとっスね!」 ルッキーニ「ねぇねぇ、シャーリー、芳佳、俺、べーして、べー。」 シャーリー&芳佳&俺「べー」 4人「ぎゃははははははははははは!!」 坂本「こらこらお前達、ほどほどにしろよ?」 4人「はーい。」 ---バルト海上空--- サーニャ「いました、敵、依然停滞中です。」ブロロロロ ミーナ「了解。全機、フォーメーション・アルファ!」 全員「了解!」 それぞれが配置につく。 ミーナ「やっぱり少し高いわね・・・」 上昇するが一向にコアが見えない。 ミーナ「俺さん、魔眼でコアは見えるかしら?」 俺「はいっス。どうやら装甲で閉ざされちゃってるみたいっス。位置まではさほど遠くないかと。」 ミーナ「了解。位置に到達したら報告してください。」 俺「あ、そこです!」 俺が咄嗟に指を指す。 ミーナ「そこね!全機、攻撃開始!」 全員「了解!」 攻撃を開始するとネウロイも反撃のためビットからビームを放つ。 俺「これじゃ発射タイミングわかっても指示しきれない・・・」 ミーナ「大丈夫よ俺さん。みんな、たくさんの戦いを乗り越えてきてるんだから!皆を信じて!」 俺「そうっスね・・・ウィルコ!」 ミーナ「トゥルーデ、フラウ!あなた達でコアを叩いて!残りはネウロイのビットを掃討します!」 全員「了解!!」 ゲルト「うおおおおおおおりゃあああああぁぁぁ!!」バラララララララララ!! エーリカ「いくよ!シュトゥルム!!」ギュオオオオオオオン!! 二人の攻撃が着々とネウロイの装甲を削る。 エイラ「サーニャいくゾ!」 サーニャ「うん!」 サーニャにぴったりとくっつき、エイラが未来予知でビットが一列に並ぶ瞬間を予測する。 エイラ「いまダ!」 サーニャ「おねがい!!」バシュ! ズドドドドドドドド と一撃で多数のビットが破壊される。 その光景は爽快の一言に尽きる。 芳佳「リーネちゃん!あぶない!」 芳佳は赤いシールドを張り、リーネをビットの特攻から守る。 リーネ「ありがとう、芳香ちゃん!」 芳佳「うん!さあ、がんばろう!」 リーネ「うん!」 シャーリー「いっけええええ!ルッキーニ!!」ビュン! シャーリーは固有魔法の超加速を用い、ルッキーニをカタパルトのように射出する。 ルッキーニ「どっかーーーーん!」ズドドドドドドォォォ!! ルッキーニの多重シールドがネウロイを次々と貫く。 俺「すごい・・・こんな連携が出来るのか・・・」 ペリーヌ「トネェェェール!!」バリバリバリ ペリーヌの放った電撃はビットを粉々に砕く。 ペリーヌ「感心してる場合ではなくってよ!」 俺「そうっスね・・・俺も負けてられない!」 俺「スルト!!」 今までの何倍もの量の炎が刀に纏われる。 スカアハの力の恩恵だ。 ペリーヌ「何ですのこの量は!?」 俺「薙ぎ払え!!」ゴオォォォォ 横一閃。異常なまでにリーチが伸びた刀によりビットが攻撃され、次々に灰燼に帰す。 シャーリー「なんかあいつまた強くなってるぞ!」 ルッキーニ「すごー!」 そのころゲルトたちがコアを完全に露出させていた。 ゲルト「フラウ!今日はお前に譲ってやる!」 エーリカ「そりゃどうも!シュトゥルム!!!」 大気を操り風を纏う。そのままコアへと突撃し・・・ パリーン・・・ という音と共にネウロイが花びらのように散る。 各々が今日の勝利に喜び合う。 が・・・ 深夜0 00 俺 サーニャ「!?」 突然2人の魔導針が赤色に変わる。 ミーナ「どうしましたか、2人とも?」 俺「全員!上空に向けてシールドを張って!!」 ゲルト「どういうことだ?」 俺「いいからはやく!!」 言われるがままに全員がシールドを張る。次の瞬間・・・ ビュンビュンビュンビュンビュン!! とネウロイのビームが雨霰と降り注ぐ。 ミーナ「グッ・・・なんなの・・・これは・・・」 リーネ「いったいどこから・・・」 一度ネウロイの攻撃が止む。 俺「あそこっス!!」 月をバックに2体のネウロイがそこにいた。 一体は王冠のようなものをかぶった姿。もう一体は女王のような姿をしていた。 どちらも人間より少し大きいぐらいの大きさだ。 エイラ「あれって・・・」 そうこうしているうちに次の攻撃のためネウロイはエネルギーを溜めていた。 俺「第二波、くるっス!」 ミーナ「全機、ブレイク(散開)!!」 次々と散開し、ネウロイの攻撃を避ける。 ミーナ「敵は2体・・・俺さん、コアを持っているほうは・・・」 俺「それが・・・どっちもっス・・・」 ミーナ「なんですって!?」 今までこんなことはなかった。コアを持ったネウロイが2体も同じ日に出るとは。 しかも先ほどのネウロイをあわせれば3体だ。 ミーナ「困ったわね・・・2体同時となると・・・」 俺「隊長、おそらくあのネウロイは攻撃しても銃撃が当たらないと思います。」 ミーナ「それはどういうこと?」 俺「理由はわからないっス・・・一度攻撃してみれば分かるはずっス。」 ミーナ「?・・・まぁいいわ、全機ズーム!あの2体のネウロイを叩きます!」 全員「了解!」 エイラ「くらエ!!」ガガガガガガガ しかし、俺が言ったように弾はネウロイの体を通り抜ける。 エイラ「マジかヨ・・・」 ペリーヌ「トネール!」バリバリバリ 電撃もまるで意味がなかった。 ペリーヌ「なんなんですの!?」 芳佳「やああああああああ!!」ガガガガガガガ しかし、宮藤は違った。 宮藤の弾丸だけは確実にネウロイを捕らえ、装甲をえぐる。 ゲルト「どうして宮藤だけ・・・」 そう言ってるとネウロイが動き始める。 すぐさま女王のようなネウロイがミーナの近くへと降り立つ。 俺「隊長!!」 ミーナ「くっ・・・一か八か・・・はああああああああ!!」ガガガガガ!! グオオオオオオオ!! ミーナの放った弾丸はなんとネウロイに当たったのだ。 ミーナ「やった!」 俺「どうしてだ・・・?」 女王ネウロイは一時離脱した。 その頃宮藤たちは王型ネウロイを攻撃する。 芳佳「やああああああ!!」シュンシュン!! 宮藤のビームがネウロイの装甲を大きくを抉る。 そしてコアが見えた。 リーネ「芳佳ちゃん!」 芳佳「うん!」 芳佳 リーネ「いっけえええええ!」ダンッ!/シュン! 2人が同時に攻撃する、しかしネウロイのコアは傷一つつかなかった。 芳佳「そんな・・・」 リーネ「どうして・・・」 それを見ていた俺が何かに気づく。 俺(もしかして・・・) 俺「隊長!俺とロッテを組んでください!」 ミーナ「え?」 俺「俺があの女王みたいな奴の装甲を剥ぎます、コアが出たら、隊長が攻撃してくださいっス!」 ミーナ「わ・・・わかったわ!」 俺「いくっスよ!!」ブロロロロロ しばらく追いかけているうちに2人が女王ネウロイの後ろをとる。 俺「よし・・・!」 しかし、少しばかりネウロイの動きが早い。 俺「この・・・ちょっと止まれっ!」ガガガガガガ 銃撃がヒットし、少し速度が遅くなる。 ミーナ(俺さんの攻撃も当たるのね・・・) 俺「いくぞ!」 抜刀し、女王ネウロイへと迫る。 その間に彼は切先に魔力を集中させる。 俺「雲耀!!もどき・・・」ボソッ ズガアアァァァァァァ グオオオオオオオオオ!! 雲耀もどきによって激しく装甲を散らす女王ネウロイ。 ミーナ「すごい・・・」 よく見ればコアが露出している。 俺「今っス!隊長!!」 ミーナ「当たって!!」ガガガガガガガガガガ!! パリーン・・・ ミーナの攻撃は見事に命中し、コアが砕け散る。 俺「やりましたね、ミーナ隊長!」 ミーナ「ええ・・・久々に撃墜した気がするわ・・・」ハァハァ… 俺「大丈夫っスか?隊長?」 ミーナ「ええ・・・大丈夫・・・よ・・・」フラ… 俺「うおっと!」 急いでミーナに肩を貸す。 俺「全然大丈夫じゃないんですが・・・」 ミーナ「ごめんなさい・・・少し気張りすぎたようね・・・」 ミーナはすでに魔力が少しずつだが衰えはじめていた。 飛ぶことが出来なくなるのも、時間の問題だ。 俺「バルクホルン大尉!」 ゲルト「なんだ!?」 俺「ミーナ隊長をつれて、先に帰投して欲しいっス。俺はあのネウロイを落とします。」 ゲルト「お前も攻撃を当てられるのか?」 俺「はい!」 ゲルト「わかった、頼んだぞ!」 俺「はいっス!!」 俺は残る王型ネウロイへと向かう。 俺「しかし・・・俺と宮藤さんの以外の攻撃が当たらないとなると・・・」 俺「うん?」 俺は宮藤の背中の刀の存在に気づく。 俺「宮藤さんその刀は?」 芳佳「へ?これは、坂本さんのです!」 宮藤は攻撃を当てようと必死だった。 俺(ということは・・・) 俺「宮藤さん、銃じゃなくて、その刀で攻撃してください。」 宮藤「え・・・でも・・・」 俺「たぶんその刀じゃないとネウロイのコアは砕けないっス。だから、お願いします。」 宮藤「よくわからないけど・・・やってみます!」 俺「よし、それじゃあ俺が装甲を削ります!宮藤さんはそれに続いて刀で攻撃してくださいっス!!」 宮藤「はい!」 2人が急速にネウロイへと接近する。 俺「あたれッ!」ガガガガガガガガガ 装甲は銃でも十分に削れた。しかし、コアまでいまひとつ届かない。 芳佳「なら私が!いって!!」シュンシュン!! 放ったビームは再び装甲を抉る。そしてコアが見えた。 俺「すごい・・・じゃない、宮藤さん!今っス!!」 芳佳「はい!力を貸してください・・・坂本さん・・・」スーッ・・・ ---基地内バルコニー--- 坂本が宮藤に応えるかのようにバルコニーへ飛び出していた。 坂本「いくぞ・・・宮藤!」 ---バルト海上空--- 烈風丸を鞘から抜き宮藤が意識を集中する。 そして・・・ 芳佳 坂本「烈ッ風斬ッ!!」ズオオオオオオ!! 振り下ろした刃には大量の赤色の魔力が纏われていた。 そしてネウロイのコアを一撃の下に粉砕する。 パリーン・・・ 芳佳「やった・・・やりました、俺さん!!」 俺「ナイスです、宮藤さん!」グッ! 親指を立て彼女の健闘を讃える。 周りから仲間達が駆け寄る。 リーネ「すごかったよ!芳佳ちゃん!!」 ペリーヌ「まさか坂本少佐の技を使うだなんて・・・」 エーリカ「やるねー宮藤!」 サーニャ「芳佳ちゃん・・・すごい・・・」 エイラ「やるじゃないか、ミヤフジ。」 周りの皆が芳佳を讃える。 宮藤「ありがとう、みんな。でも、今回は坂本さんのおかげだよ。」 宮藤(ありがとう・・・坂本さん・・・) 烈風丸を見つめ、心の中で宮藤はそう語りかけた。 続き→ペルソナ7
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1609.html
未投下 前へ 目次へ戻る 次へ Episode 18 『選択』 ---基地内調理室--- 俺「♪~」シャカシャカ エイラ「・・・・・」 ここは501の調理室。俺とエイラの2人は現在ケーキ作りに勤しんでいる。 基地に帰還後、俺は脱走罪として1週間の自室禁固兼療養を。エイラもストライカーの無断使用により3日間の自室禁固及び飛行停止命令を経て今に至る。 俺の怪我は、魔力のおかげで治りが早く、今となっては傷痕一つ残っていなかった。 しかし、なぜ2人がこんな状況にあるかというと、事は3日前にさかのぼる。 ~3日前~ ---基地内食堂--- エーリカ「そういえばさ、もうサトゥルナーリアの時期だよね。」 ミーナ「あら、そうね。このところゴタゴタが続いていたから、すっかり忘れてたわ。」 芳佳「サトゥルナーリア・・・ってなんですか?」 ゲルト「そうか、扶桑には無い文化だったな。我々カールスラント人は、12月の17日から24日まで農耕神であるサトゥルヌス神に祈りをささげるんだ。太陽が、冬至の後にもう一度大地を明るく照らしますように、とな。」 エーリカ「トゥルーデは難しい事言ってるけど、要はそのサトゥルナーリアの間は国中のみんながお休みして、パーティーしたり贈り物を交換したりとか、色々どんちゃんするんだ。」 芳佳「へぇー!そうなんですか!」 エイラ「24日・・・クリスマスもちょうどそのころダナ。」 芳佳「クリスマス?」 エイラ「そのサトゥルなんとかってやつと似てて、スオムスでも24日になるとみんなでパーティーを開いたり、贈り物をしたりするんダ。ただ違うのは、その日の夜にサンタさんって言う赤い服の妖精が家に来て、ワタシたちが寝ている間に、自分の欲しいプレゼント枕の側において行ってくれるんダ。」 俺「それ、確かオラーシャでもやった気がするっス。でも、あれって年明けてからじゃなかっスか?」 サーニャ「オラーシャは1月7日にやりますけど、エイラの国では12月にやるんですよ。」 俺「へぇ・・・」 芳佳「へぇー!なんだか素敵な日ですね、クリスマスって!」 シャーリー「なぁ、その24日ってさ、ルッキーニの誕生日もかぶってるんだけど・・・」 リーネ「そっか。ルッキーニちゃんも24日生まれだったよね。」 ルッキーニ「うん!」 ミーナ「ちょうどいいわ。それじゃあ、24日にルッキーニさんのお祝いも兼ねてパーティーを開きましょう!」 ルッキーニ「ほんと!?やったー!!」 シャーリー「よかったな、ルッキーニ!」 ミーナ「ここのところ息が詰まることばかりだったもの。たまには、こうしたイベントも必要よね。」ニコ 坂本「うむ。そうだな。」 ~現在~ ---基地内調理室--- そう言う訳で俺は毎度の事ケーキ作りを任されていた。エイラは自ら進んで俺のケーキ作りの手伝いを申し出た。ある一言を言うために。 エイラ「・・・・・」チラッ 俺「♪~♪♪」シャカシャカ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺「俺は、エイラさんのいない世界なんか絶対に嫌です。」 俺「大丈夫っス。エイラさんには指一本触れさせません。俺が絶対に守ります。」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― エイラ(な・・・ナンダ・・・この変な、モヤモヤした気持ちは・・・) エイラ(前とは違う・・・ってあれ?ワタシなんでドキドキしてるんダ!?///)ドキドキ 俺「♪~・・・?エイラさん、どうかしたっスか?」 エイラ「ふぇ!?」 俺「いや、なんかずっとボーっとしてたみたいっスけど・・・俺の顔になんかついてますか?」 エイラ「な、何でもない!なんでも・・・ない・・・」 俺「そうっスか?ならいいっスけど・・・」 エイラ(何やってるんだワタシは・・・俺にちゃんと言うために来たんダロ・・・よし、言おう・・・) エイラ「あのさ、俺・・・」 俺「はい?」 エイラ「その・・・この前は、ありがとナ・・・助けてくれて・・・」 俺「ああ、いえ。そんなの、家族なんだから当たり前じゃないっスか。」 エイラ「うん・・・それと・・・ゴメン・・・」 俺「?」 エイラ「オマエに・・・ひどいこと言っちゃってさ・・・オマエがこなけりゃよかったって・・・だからオマエ、出て行ったりしたんダロ・・・?」 俺「いえ、違いますけど。」 エイラ「え?」 俺「あれはストライカーが急に故障しちゃって、そのまま海に落ちて遭難したんスよ。そんで、たまたま海に打ち揚げられてた所をある人に助けてもらったんス。」 俺「だから、全然エイラさんのせいなんかじゃないっス。むしろ謝るのは俺の方っス。こんな、エイラさんたちが苦しまなきゃいけないような状況を作った俺のほうがよっぽど・・・」 エイラ「俺・・・」 俺「だから、こうしましょう。」スッ そう言って、右手を差し伸べる俺。 エイラ「・・・?」 俺「仲直りの握手。エイラさんが気にしてることについては、これでチャラっス。ね。」ニッ エイラ「・・・うん。」スッ パシッ 固く結ばれた手。二人は仲直りの握手を交わした。 俺「・・・じゃあ、この話はおしまいっス。ルッキーニさんとみんなのためにも、ケーキ作っちゃいましょっか!」 エイラ「・・・ああ。とびっきりの、ダナ!」 と、二人が意気込んだ時だった。 サーニャ「あ・・・あの・・・///」モジモジ 俺&エイラ「?」クルッ 突然聞こえてきた声。振り向けば、目線の先にはエプロン姿のサーニャがいた。しかし、どうも様子がおかしい。 サーニャ「わ、私も、お手伝い・・・します・・・///」モジモジ 俺「サーニャさん、どうかしたんスかね。」ヒソヒソ エイラ「さ、さぁ・・・ん?」 よく見ると、心なしかサーニャの肌の露出がいつもより多い。というより寧ろエプロンのみを着用しているようにも見える。 ・・・ってかエプロンしか着てない。 エイラ「わ!わわっ!!サーニャ!!///」 俺「? どうしたんスか、エイラさん?あれ、サーニャさんなんかいつもより・・・」 エイラ「わっ!バカっ!見るなァァァ!!///」ドゴォッ! 俺「おぅふ!?」ドサッ 腹パンならぬ、みぞ蹴りをエイラからくらう俺。 エイラ「ほら、サーニャ!服着るぞ服!!///」グイッ サーニャ「ま、待ってエイラ・・・あ・・・///」 そのままサーニャの手を引いてエイラは調理室から出て行った。 俺「ゲホッ!ゴホッ!い・・・いきが・・・ゲフッ!」 エーリカ「ありゃ・・・しっぱいしっぱい。エイラも引っかかると思ったんだけどな~」 気づけば、倒れた俺の横には小悪魔的な微笑みを浮かべたエーリカが立っていた。 俺「ちゅ・・・ちゅうい・・・ゲホッ!いつのま・・・ゴホゴホ!に・・・」 エーリカ「大丈夫、俺?あぁ、みぞおちに入ったんだ。無理に息吸おうとすると苦しいからゆっくりね。はい、すってー、はいてー。」 しばらくして俺は落ち着きを取り戻す。 俺「はぁ・・・はぁ・・・死ぬかと思った・・・」 エーリカ「それより俺、さっきサーニャのこと、ちゃんと見た?」 俺「いえ・・・エイラさんに蹴りくらって、よくは・・・」 エーリカ「そっか。さっきね、サーニャ、裸エプロンしてたんだよ?」 俺「は、裸!?///」カアァァ~ エーリカ「あはは、俺、顔真っ赤だよ。カワイイ~。・・・でもさ、なんでサーニャがそんなことしたか俺、わかる?」 俺「いえ・・・皆目見当もつかないっス・・・」 エーリカ「ふーん・・・俺って、相変わらずニブチンなんだね。」 俺「・・・?」 エーリカ「ま、きっとすぐにその意味は分かるよ。」 俺「はぁ・・・(きっとこの人の差し金なんだろうな・・・)」 エーリカ「さてと、エイラもいなくなっちゃったし、私が手伝ったげよっか?ケーキ?」 俺「いえ、ミーナ隊長からハルトマン中尉が来たら即刻追い返すように言われてますんで。」 エーリカ「ぶーぶー!俺のいじわる~!」 俺「あはは・・・クレームは隊長にお願いするっス・・・」 エーリカ「ちぇー・・・せっかくつまみ食いできると思ったのに・・・ミーナは用意周到だよな~・・・」ブツブツ 渋々調理室を後にするエーリカ。 俺「さてと、仕上げちゃうか。」 再びケーキの仕上げに取り掛かる俺。が、 俺(サーニャさんの・・・裸・・・///)ボーッ… 俺(・・・って何考えてんだ俺!!くそっ・・・俺、最低だ・・・)ブンブン 俺「顔洗ってこよう・・・」 そう言って、調理室を出ていく俺。 この後、ケーキが何者かによってつまみ食いされるのだが、その真相はエーリカしか知らない。 数時間後・・・ ♪Time -Persona music band arrange- ---基地内食堂--- 501隊員による、ささやかなクリスマスイヴ兼ルッキーニの誕生日パーティーが執り行われた。 シャーリー「ルッキーニ!」 全員「誕生日おめでとう!!」 パンッ!パンッ! ルッキーニ「うわ~!ありがとう!みんな!」 ミーナ「それじゃあ、恒例のプレゼントタイムね。」 それぞれがルッキーニにプレゼントを手渡す。 芳佳「じゃあ、これは私から。こんなものしか用意できなかったけど・・・」 ルッキーニ「なになに!?開けてもいい?」 芳佳「う、うん。」 バリバリ ルッキーニ「わー!むしー!!」キラキラ 包みを開けたルッキーニの目に飛び込んできたのは『世界の昆虫図鑑』と銘打たれた本であった。 芳佳「昔、お父さんが持ってて、こっちに来る前にルッキーニちゃんにあげようと思って持ってきてたんだ。ただ、忘れてて遅くなっちゃったけど・・・プレゼント、これでよかったかな?」 ルッキーニ「すっごくうれしいよ!!ありがとう、芳佳!!」 芳佳「うん!喜んでくれてよかった・・・」ホッ 坂本「よし、次は私からのプレゼントだ。」 ルッキーニ「え!?少佐もくれるの!?」 坂本「ああ。普段から頑張ってくれているルッキーニに、感謝とその努力を称えこれを進呈する!」 そう言って坂本が手渡したのは、坂本がいつか使っていた虫取り網と虫かごであった。 坂本「それは我が家に伝わる由緒正しき虫取り網、風神丸だ。虫かご共々、大切に使うんだぞ。」 ルッキーニ「ほ、ホントにいいの?」 坂本「はっはっは!ああ、遠慮なくもらってくれ。それを託せるのはお前しかいない。」 ルッキーニ「うん!ありがとう!少佐!!大切にするね!」 その後も各々がプレゼントを渡してゆく。 ゲルトはルッキーニのおさげを結ぶための新しいリボンを。エーリカからは、お菓子の詰め合わせ。ミーナからは新しい私服。 リーネとペリーヌからは共同で作ったという手編みのセーター。サーニャからはマフラーを。エイラからはどこかの国の占いグッズを。 そして・・・ シャーリー「私からは、これだ。」スッ ルッキーニ「え・・・?でも、これ・・・」 シャーリーからのプレゼント。それは、いつかルッキーニが羨ましがっていた、シャーリー愛用のゴーグルであった。 ルッキーニ「なんで?だってこれ、シャーリーの大切な物でしょ・・・?」 シャーリー「ああ。とっても、とっても大切な物だ。でもルッキーニ、前にあげたやつ、失くしちゃっただろ?」 ルッキーニ「うん・・・」 以前も同じように、シャーリーはルッキーニに自分と同じゴーグルを探してプレゼントしていた。しかし、ルッキーニはこちらの戦線へ赴く際、そのゴーグルをどこかで失くしてしまっていた。 ルッキーニ「でもこれ・・・シャーリーの思い出がいっぱい・・・いっぱい詰まってるものでしょ・・・?なのに・・・」 シャーリー「いいんだ。だってルッキーニも、もう15歳だ。それに、今まではずっと一緒だったけど、きっと、いつかは私ともお別れしなくちゃいけない時が来る。」 ルッキーニ「なんで・・・?嫌・・・シャーリーとお別れしたくないよ・・・」 シャーリー「アタシだって、お別れしたくないさ。でもなルッキーニ、ずっとはアタシも無理だ。それに、ルッキーニにもそのうち、一人で立ち向かわなくちゃいけない大きな壁にぶつかるときが来るかもしれない。」 ルッキーニ「壁・・・?」 シャーリー「ああ、それがどんな壁かはわからない。でもきっと、それはとっても辛いことだ。もしかしたら、挫けそうになるかもしれない。」 ルッキーニ「・・・・・」 シャーリー「その時に、アタシは傍にいてあげることはできない。だから、ルッキーニにその時が来ても、一人でちゃんと前を見れるように、そのゴーグルをあげようと思ったんだ。」 シャーリー「そのゴーグルに詰まった思い出は、ボンネビル・フラッツの時だけじゃない。アタシとルッキーニとの思い出や、501のみんなとの思い出も沢山詰まってる。」 シャーリー「だから、もしルッキーニが立ち上がれなくなりそうになった時は、そのゴーグルを見て、私たちと過ごしてきたこれまでの事を思い出してほしい。きっとそれは、壁を乗り越えるための勇気になるはずだから・・・」 ルッキーニ「うん・・・」 シャーリー「だから、受け取ってくれルッキーニ。私も、ほかの皆も、いつでもお前を見守ってるからな。」ニコッ ルッキーニ「・・・うん・・・うん・・・!ありがとう・・・シャーリー・・・グスッ・・・ずっと、ずっと大事にするね・・・!」ポロポロ シャーリー「ああ。でも、もう失くしたりするんじゃないぞ?」 ルッキーニ「うん・・・!ぜったいに、なくさない・・・!!ヒック・・・」ポロポロ シャーリー「よしよし、おいで、ルッキーニ。」ギュッ ルッキーニ「シャーリー・・・うえええぇぇぇぇん!!」ポロポロ ルッキーニを大切に思うからこそ、シャーリーは自分の宝物を渡した。自分が、これほどまで大切に思われていることを知ったルッキーニは、心の底から嬉しく思い、そのまま暫くあふれ出る涙を止めることができなかった。 そんなルッキーニを、仲間たちは優しい目で見守った。 それからしばらくして・・・ 俺「さて、じゃあ俺からのプレゼントっス!途中、誰か知らないけどつまみ食いされて時間かかっちゃいましたけどねー」チラッ エーリカ「♪♪~」 ミーナ「ハルトマン中尉。後で執務室に出頭しなさい。」 エーリカ「げっ!バレてるし・・・」 俺「では気を取り直して。」カパッ ステンレス製のふたを取ると、中からショートケーキが現れた。 その上には、チョコレート文字で『 MERRY CHRISTMAS HAPPY BIRTHDAY LUCCHINI ! 』と大きく書かれていた。さらに ペリーヌ「あら・・・?これは・・・」 リーネ「わぁ!ルッキーニちゃんですよね、これ!」 さらにケーキの縁には器用に、そりに乗った小さなルッキーニが描かれていた。そのそりを引いている動物はどうやらトナカイではなく、ルッキーニの使い魔である黒ヒョウのようだ。 ところどころに、クリスマスの象徴である、もみの木も描かれている。 俺「はいっス。書くのが結構難しかったんスけど・・・あ、もみの木はエイラさんが書いてくれたんスよ。」 サーニャ「エイラ、とっても上手・・・」 エイラ「そ、そうカ?サーニャに喜んでもらえて何よりなんダナ!」 シャーリー「あっはっは!おいおい、今日はルッキーニの誕生日なんだぞ?」 エイラ「そうだったナ。どうダ、ルッキーニ?」 ルッキーニ「うん!すっごく上手だよ!ありがとう!俺!エイラ!」 俺「どういたしましてっス!喜んでもらえてよかったっス!」 エイラ「どういたしましてダナ。」 ミーナ「それじゃあ、みんなでいただきましょう。」 それから、全員でケーキを食べた後、パーティーは更なる盛り上がりを見せた。 坂本「わっしょおおおおおい!!///」ドンガラガッシャーン 芳佳「さ、坂本さん、暴れちゃ駄目です!!」 シャーリー「なんだ~バルクホルン・・・ヒック!・・・アタシはまだいけるぞ~?///」 ゲルト「ふっ・・・何をぬかすか・・・リベリアン・・・私はまだ・・・うぷっ・・・いけるぞ・・・///」 シャーリー「よーし・・・じゃあ、8ラウンド目だぁ!ヒック!///」 ゲルト「の、望むところだ・・・!///」 エイラ「サーニャぁぁぁ~♪///」 サーニャ「エイラ・・・少し飲みすぎよ・・・」 エイラ「えへへ~サーニャ~♪///」ギュゥ サーニャ「もう・・・バカ・・・///」 俺「・・・・・」チウチウ 酒を飲み始めてから、皆の様相が一変してしまった。俺は一人、その様子を見ながらカルピスを啜る。 ミーナ「あらぁ?俺さんは飲まないのかしら~?」 俺「すみません・・・俺、酒はちょっと・・・」 ミーナ「あらそう?たまにはいいものよ、お酒も。ウフフ♪」 俺「は、はぁ・・・(ダメだ、ミーナ隊長もちょっとキャラ変わってる・・・俺がしっかりしなきゃな・・・)」 エーリカ「おーれ!」ダキッ 俺「うわっ!」ドスン! 俺は突然飛びついてきたエーリカによって押し倒される。 俺「っつー・・・何するんスか、中尉・・・」 エーリカ「・・・ひどいよ・・・俺・・・」 俺「・・・はい?」 エーリカ「みんなの事は名前で呼ぶくせに、私の事は中尉中尉って・・・どうしてエーリカって呼んでくれないの・・・?」 俺「いや・・・それはまだ中尉に呼んでいいって言われてないっスから・・・」 エーリカ「じゃあ、呼んでよ・・・」 俺「は、はぁ・・・え、エーリカ・・・さん・・・」 エーリカ「むぅ・・・ほんとは『さん』もいらないのに・・・」 俺「あはは・・・」 エーリカ「ねぇ・・・俺・・・」 俺「・・・?」 エーリカ「俺は・・・好きな人・・・いるの・・・?」 俺「はい!?」 エーリカ「いるの・・・?いないの・・・?」 俺「な、なんでそんな事急に・・・」 エーリカ「・・・いなかったら・・・私が・・・貰っちゃおうかなって・・・」ボソッ 俺「な・・・なな!?///」 エーリカ「だって・・・こんなに長く一緒に居るのに・・・隊でたった一人しかいない男を、好きにならないわけ・・・ないじゃん・・・」 俺「え、エーリカさん・・・?」 エーリカ「今日の11 00。バルコニーで待ってるから・・・」 俺「えっ?」 エーリカ「じゃあね・・・」 チュッ 俺「!!?///」 エーリカは俺の額に一度キスを落とし、そのままゲルトの元へと向かっていった。 俺(・・・エーリカさん、酒の匂い、しなかった・・・) その後もどんちゃん騒ぎが続いた後、パーティーは終息していった。 続き→ペルソナ18.5 -ページ先頭へ